資産家で投資家のカール・アイカーン氏が、トランプ大統領の規制問題特別アドバイザー職を辞任すると発表した。自身の事業と規制の見直しを進めるトランプ氏のアドバイザーの立場とが利益相反になるとの批判に対応した 。ブルームバーグが報じている。

アイカーン氏は独立系の石油精製業者CVRエナジーの主要株主であり、規制がらみの米国のバイオ燃料政策の変更が同社に利益をもたらすと、一部民主党議員などから批判を浴びていた。

「党派的いさかい」を回避するため

トランプ政権,著名投資家,
セレモニーでジャレッド・クシュナー、イヴァンカ・トランプ夫妻の背後に控えたアイカーン氏(写真=lev radin/Shutterstock.com)

アイカーン氏は自身のWebサイトに掲載した大統領への書簡で、アドバイザーとしての役割で利益を得ていないと言明、「民主党の少数の批評家からの指摘とは反対に、私は非公開情報を利用したり、自らの地位から利益を得たりしたことはまったくなく、自身の役割が利益相反になるとは思わない」と釈明した。

アイカーン氏はユダヤ系の父、教師の母との間に生まれた81歳。所有するIcahn Enterprisesの時価総額は93億ドル(約1兆1,500億円)と言われ、1980年代ごろには企業の経営権を取得する「乗っ取り屋」などと呼ばれた過去を持つ。

1985年にトランス・ワールド航空を買収した手腕は有名。また投資先のApple株の0.93%を所有すほか、天然ガス開発会社Chesapeake Energyの株式の11%、栄養補助食品メーカーHerbalifeの株式の18%など、数多くの企業の筆頭株主の一人だ。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、アイカーン氏は政権運営を混乱させる「党派的ないさかい」を回避するための決断であることを示唆した。同氏はトランプ氏との会談後に送った確認文書で、トランプ氏が辞任を承諾したと言及。利益相反との見方から批判の的となった顧問就任については、自身の判断を弁護した 。(長瀬雄壱 フリージャーナリスト、元大手通信社記者)

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