シンガポールの金融機関、DBS によるオーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)ウェルス部門の買収プロセスが完了した 。ANZのシンガポール、台湾、インドネシア、香港のウェルス部門は、今後DBSの傘下として運営される。

同社は国内の大手中古車販売業者と提携し、個人売買のプラットフォームも立ち上げるなど、デジタルを屈指した業務の多様化に拍車がかかっている。

インドネシアと台湾ではデジタル戦略の拡大を予定

DBSは2016年10月にアジア4地域におけるANZのウェルス事業の買収を発表 。同社のサイトに掲載された情報によると、買収によって預金総額170億シンガポールドル(SGD/約1.3兆円)、融資110億SGD(約8808億円)、運用資産65億SGD(約5203億円)を引き継ぐ。

移行させる総顧客130万人のうち、10万人がウェルス部門の顧客だ。同年の総収益は8.25億SGD(約660億円)と報告されている。

近年アジア地域でのウェルス事業拡大に本腰を入れているDBSにとって、ANZの買収はさらなる跳躍の原動力となるはずだ。

またインドネシアと台湾におけるデジタル戦略を拡大する意向も示している。

買収プロセスが完全に完了するのは18年上旬には、DBSの富裕層顧客による運用資産残高は総額1150億SGD(約9.2兆円)、一般顧客による運用資産残高は1182億SGD(約14.5兆円)に 達する。

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