最前線で活躍するビジネスパーソンは、知識や教養、経験はもちろんのこと、手入れの行き届いた清潔な肌を味方にしている。無関係なように見えて、ビジネスを成功させるのに必要な素養の有無がそこで浮き彫りになるのだ。

タリーズコーヒージャパンの創業者であり、近年はエッグスンシングスを日本にオープンし、パンケーキ、エッグベネディクトブームの火付け役としても知られる松田公太氏。食の分野から豊かなライフスタイルを世に発信し続け、長らくビジネスシーンで活躍している氏も清潔感のある肌を「ビジネスパーソンのベース」ととらえる一人だ。

松田公太氏
(写真=森口新太郎)

松田公太

1968年生まれ。5歳から17歳までの大半を海外で過ごす。三和銀行(現・三菱東京UFJ銀行)を経て、97年にタリーズコーヒー日本1号店を創業。翌年タリーズコーヒージャパン設立。2001年上場(MBOで非上場化)。07年社長退任。09年にEggs 'n Things (エッグスンシングス)の世界展開権(米国除く)を取得し、EGGS 'N THINGS INTERNATIONAL HOLDINGS PTE. LTDをシンガポールに設立。10年、原宿に日本1号店開業、「パンケーキブーム」の火付け役に。参議院議員(東京選挙区)の任期を満了、飲食事業や自然エネルギー事業で精力的に活動中。

スキンケアがもたらした「肌」以外への効果

意外にも“スキンケア”自体を意識し始めたのは最近という松田氏。その理由は飲食の世界で活躍してきた氏らしい考えによるものだった。

「健康に対しては『外から』より『内から』と考えてきました。食事は野菜や豆類、発酵食品を多く取り、学生時代からスポーツを続けてきた影響もあり、社会人なってからもジム通いとジョギングはずっと続けてきました。特別意識してきた訳ではなく好きで続けてきたことなのですが、結果的に肌にはすごくいいことで、自分で言うのははばかられますが、肌はずっとツルツルなんです(笑)。基礎体温が高く新陳代謝が良いんですね。さすがにアラフィフと言われる年代に差し掛かり、少し肌が脂っぽいと感じるようになってきたので、肌質に合わせた洗顔料選びから始めることにしました」

そうしてスキンケアを始めるようになって、程なくして肌以外にもある効果が見え始めたという。

「今は一つのアイテムに固執せずいろいろ試している段階ですが、スキンケアによって肌のコンディションを意識するようになってから、もっと積極的に野菜を取ろうと思うようになりました。そんな今の気分を反映して、自分自身が『こんなお店が欲しい』と思っていた、チョップドサラダとブリトーの専門店を二子玉川にオープンしました。運動においてもこれまで以上にモチベーションがアップし、精力的に体を動かすようになりました。一つの意識の変化で、すべての意識が向上し、ビジネスにも好影響をもたらすことを今まさに実感しています」

肌は仕事へのスタンスをも映し出す

スマートで洗練されたイメージが定着している松田氏だが、今日に至るまでに多くの仕事をこなす中で身だしなみの重要性を、身を持って感じてきたという。

「私自身、見た目、身だしなみ、第一印象にはとても気を使っています。銀行員時代、新規開拓の飛び込み営業をしていました。会社の社長に会うので、身だしなみには気をつけていましたね。またタリーズコーヒーの一号店を作った時、最初の2年近くは自分で接客をしてコーヒーを作っていました。多忙でオフィスに寝泊まりした時期もありましたが、業務を終えて午前2時からでも、必ず銭湯に足を運んで汗を流していました。汗かきだということもあるのですが、今も商談や面会では約束の15分前に到着して顔を洗うようにしています。

なぜここまで行うかといえば、自分の見た目の印象が会社の印象になるからです。

飲食店に入ってウェイターの服装や髪型が乱れていたり、不潔な感じがしたら『最高の素材を使っています』と言われても、料理に期待できなくなる。『細部にこだわっていない人だろう』と思ってしまうからです。これは個人にも言えます」

松田公太氏
(写真=森口新太郎)

もちろん第一印象だけ良ければいい訳ではありません。大事なのは継続です。現在、私の体脂肪率は11%なんですが、30年くらいジム通いを続けた賜物だと思います。急激にではなく、ずっと続けているから。スキンケアにも同じことが言えると思います。

仕事柄さまざまな方とお会いしますが、ビジネスで成功している人は清潔感があり、肌つやがいい人が多いと思います。そういう方に秘訣を尋ねると、何かしら『ずっと続けていること』がありますね。『洗顔しかしていないよ』と謙遜されるは多いですが、自分に合った商品を見つけてずっとこだわって使っていらっしゃったりします。

継続は力。続けることできれいな肌が作られると思うし、そこからその人の仕事へのスタンスや熱意など、ビジネスパーソンとしての輪郭が浮かび上がるのだと思います。特に若い世代の人には、社会を生きていく上での土台作りとしてスキンケアに取り組んで欲しいと思います」

SHISEIDO MENもぜひ使ってみたいブランド

最後に松田氏にSHISEIDO MENの印象について伺ってみた。

「資生堂が日本を代表するブランドとして今も高い人気を誇るのは、やはりベーシックに忠実でありながら、常に時代が求めるものを取り入れてきたからだと思います。周りにも資生堂のプロダクトを愛用している人は多いですし、海外へ出張する際に顔のパックをお土産に買っていくと必ず喜ばれます。今、色々と試している段階ですが、SHISEIDO MENもぜひ使ってみたいブランド。ポケットサイズなどがあれば、ジム通いや出張に持っていきたいですね」