相続税が課税される財産はすべてではない。国の一定の配慮から、非課税となっている財産もある。しかし、そこでも細かい注意が必要だ。葬儀や法事が日常から遠ざかっている方は特に気をつけておきたい。

相続税の非課税財産とは

相続財産,課税
(写真=PIXTA※画像はイメージです)

相続税法では、原則として相続又は遺贈により取得した財産で、金銭的な価値のあるものについてはすべて課税することとなっている。しかし、財産の種類や性質によっては国民感情への配慮や社会政策的な考えから、課税が適当でないと考えられるものもある。これが相続税の非課税財産だ。相続税の非課税財産は7種類ある。

1. 皇室経済法の規定により皇嗣が承継する物(三種の神器など)
2. 墓所、霊廟、祭具など
3. 一定の要件に該当する公益事業者が取得した公益事業用財産
4. 心身障碍者扶養共済制度に基づく給付金の受給権
5. 相続人の取得した生命保険金等で法定相続人1人あたり500万円にて計算した金額
6. 相続人の取得した死亡退職金等で法定相続人1人あたり500万円にて計算した金額
7. 相続財産を国や公益社団法人等に寄附した場合の寄附財産

1と2は国民感情への配慮から、3は公益性の観点から、4から7については社会政策的な配慮から非課税とされている。

なお、非課税財産ではないが、被相続人の借金と葬儀に係る費用は、相続税の課税財産価額の計算上、控除される。ただ、借金に関しては、あくまでも税法での計算上控除されるだけであり、実際は財産とともに債務として承継する。

非課税にならない場合(1)仏具、仏壇など