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Written by 鈴木 まゆ子 45記事

非課税規定の目的を理解

「仏壇」に課税されることも 非課税にならない財産とは?

相続税が課税される財産はすべてではない。国の一定の配慮から、非課税となっている財産もある。しかし、そこでも細かい注意が必要だ。葬儀や法事が日常から遠ざかっている方は特に気をつけておきたい。

相続税の非課税財産とは

相続財産,課税
(写真=PIXTA※画像はイメージです)

相続税法では、原則として相続又は遺贈により取得した財産で、金銭的な価値のあるものについてはすべて課税することとなっている。しかし、財産の種類や性質によっては国民感情への配慮や社会政策的な考えから、課税が適当でないと考えられるものもある。これが相続税の非課税財産だ。相続税の非課税財産は7種類ある。

1. 皇室経済法の規定により皇嗣が承継する物(三種の神器など)
2. 墓所、霊廟、祭具など
3. 一定の要件に該当する公益事業者が取得した公益事業用財産
4. 心身障碍者扶養共済制度に基づく給付金の受給権
5. 相続人の取得した生命保険金等で法定相続人1人あたり500万円にて計算した金額
6. 相続人の取得した死亡退職金等で法定相続人1人あたり500万円にて計算した金額
7. 相続財産を国や公益社団法人等に寄附した場合の寄附財産

1と2は国民感情への配慮から、3は公益性の観点から、4から7については社会政策的な配慮から非課税とされている。

なお、非課税財産ではないが、被相続人の借金と葬儀に係る費用は、相続税の課税財産価額の計算上、控除される。ただ、借金に関しては、あくまでも税法での計算上控除されるだけであり、実際は財産とともに債務として承継する。

非課税にならない場合(1)仏具、仏壇など

上記2. の財産には、仏壇、位牌、神棚等の祭具、墓地や墓石などの墳墓、先祖代々からの家計を記載した系譜などが含まれる。これらの財産については、民法上、「慣習に従って祖先の妻子を主宰すべき者が相続する」こととなっている。また、こういったものは通常日常礼拝の対象となっているものであり、国民感情の面から相続税を課税するのにふさわしくない。したがって、非課税となっている。

しかし、これらに該当するからと言ってすべて非課税なわけではない。最近のスピリチュアルブームや骨董ブームなどにより、日常礼拝のためではなく、趣味として仏具や仏像を持つ人もいるだろう。

中には、この非課税財産であることを隠れ蓑に、現金を純金の仏像に変えることで課税を逃れようとする人もいるかもしれない。こういった場合、つまり、日常礼拝のためではなく、趣味や投資のための仏具や仏壇などについては、非課税とはならない。税法で大事なのは形式や名目ではなく、目的や実質だからだ。

また、非課税となるのはあくまでも被相続人の所有物である場合のみである。つまり、被相続人の死亡後、相続人が購入したものはあくまでも相続人の私有物に過ぎない。そのため、相続対策をしておくなら、被相続人自らが自分用の仏壇や墓を用意し、相続人たちの負担が軽くなるようにしておくのが望ましい。

非課税にならない場合(2)公益目的の寄附

7は、相続や遺贈によって取得した財産を、国や地方公共団体、特定の公益法人、社会福祉事業などの公益事業を行う個人に寄附した場合、あるいは公益目的の信託にした場合には、非課税になるというものだ。これは、相続税の申告期限までに、この手続きを行っていればよいことになる。

ただし、この制度の活用にも注意が必要だ。まず、寄附先のひとつである「公益法人」は独立行政法人や社会福祉法人、学校法人や認定NPOなど公益性の高い団体に限られる。そして寄附の時点で既に存在している法人でないといけない。公益信託も同様、公益性の高さが認められるものに限られる。

寄附後も要注意だ。寄附そのものが寄附先の公益増進につながらなくてはならないため、事業に財産が使われることが確実でなくてはならない。

もし寄附をした日から2年以内に、その公益法人や公益信託が公益性を失った場合、あるいは、寄附した財産を公益事業に使っていない場合は、さかのぼって非課税が取り消され、あらためて課税対象として扱われる。また、こういった要件を満たしたとしても、寄附したことで相続人や受贈者の税額が不当に減少する場合、寄附先に相続税や贈与税が課税されることになる。

さらに、寄附する財産にも気をつけてほしい。寄附する財産が現金や預金、金銭債権など、譲渡所得の基因とならないものなら問題がないが、不動産や有価証券などについては、原則として譲渡所得が発生する。

つまり寄附する相続人がいったん不動産や有価証券などを売却し、金銭に変えた上、公益目的で寄付をしたと考えるのだ。ただし、措置法40条の規定を受けるべく申請をし、国税庁長官の承認を受けた場合は、譲渡所得が非課税となる。現預金以外の寄附をする場合は、あらかじめ事前に対策を考えておくとよい。

非課税規定は高い相続税で悩む相続人たちにとってはおいしい規定だ。だからこそ、税務当局も旨みの高い規定の悪用を避けるべく、例外規定をも設けている。相続税法に限らずすべての税法について言えることだが、税法は名目や形式が大事なのではなく、実質を常に重視する。形式要件だけでよしとするのではなく、非課税規定のそもそもの目的を充足しているかどうかを十分に配慮してほしい。

鈴木 まゆ子 
税理士、心理セラピスト。2000年、中央大学法学部法律学科卒業。12年税理士登録。現在、外国人の日本国内での起業支援に従事。会計や税金、数字に関する話題についての記事執筆を行う。税金や金銭、経済的DVにまつわる心理についても独自に研究している。共著に「海外資産の税金のキホン」(税務経理協会、信成国際税理士法人・著)がある。ブログ「税理士がつぶやくおカネのカラクリ

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