総合生活サービスサイト「58同城」や求人サービスサイト「智聯招聘」「前程無憂」などの最新財務報告によると、人材募集業務での収益増は顕著だ。それとともに悪質な偽求人被害も増加している。経済ニュースサイト「界面」が現状を伝えた。中国のネット求人業界はどうなっているのだろうか。

ネット求人伸びる。利用者3000万人

界面,中国経済,求人,トラブル
(写真=PIXTA)

NYSE上場企業の「58同城」は、4~6月期決算で売上が前年同期比33.3%伸び、25億933万元になったと発表した。中でも求人サイト部門は好調で、売上に占めるシェアの増加も続いている。その他求人サイト「智聯招聘」は20.3%増「前程無憂」は30.3%増と同様に好調な決算を発表した。

8月に発表されたデータによると、中国のネット求人市場は2012~2016年までの5年間で、22億8000万元から54億7000万元まで140%も伸びている。(1元=16.7日本円)またネットを利用して求職活動を行った人は2937万4000人と、3000万人目前である。労働市場への浸透率は3.26%となり、1年前に比べ0.4%上昇した。

ネット求職サイトは、求職者へ浸透してきた。実際にどんな人たちが利用しているのだろうか。

二線級都市、若い女性中心

ネット求職サイトを利用した人の性別は、男性47.8% 女性52.2%だった。

年齢別では、16~25歳 45.8%/26~35歳 27.5%/36~45歳 14.1%/46歳以上11.0%だった。16~35歳で全体の4分の3近くを占めている。

更に都市の規模別では、一線級都市(北京、上海、広州、深セン) 23.5%、二線級都市(一線級以外の省都級、南京、武漢、瀋陽、西安、成都、重慶など) 40.5%、三線級都市(それ以下) 36.1%となっている。一線級都市は情報豊富でネット求人に頼る必要がないのであろう。主要な利用者のイメージは、二~三線級都市に住む若い女性である。

光と影

ネット求人業界の将来は明るい。先述の大手3社以外の求人サイトも、2016年に大規模融資を集めているのを見てもそれがわかる。

虎聘網 300万ドル/BOSS直聘 2800万ドル/魔方招聘 4000万元/100offer 2500万元などである。

一方で問題も多い。2016年に起こったネット詐欺事件のうち34.5%を偽求人が占めている。

また今年に入り“李文星事件”が起きた。山東省徳州市出身、東北大(瀋陽)卒23歳の李文星君は、BOSS直聘の求人サイトを通じ“北京科藍公司”に職を得た。場所は天津である。しかし友人たちによると彼はうかない様子で、借金ばかり重ねていたという。7月14日、天津静海区で彼の溺死体が発見された。この会社が何らかの原因を作ったとみられる。この会社は実在する企業に似せた偽会社だった。正体を見抜けなかったBOSS直聘は、応分の責任を担うと表明した。現在9名が身柄拘束され刑事事件として真相解明が進められている。

また2008~2017年の10年間で、ネット求人から裁判に発展したケースの多さには驚かされる。

58同城  刑事 191件/民事 158件
智聯招聘  刑事 4件/民事 115件
前程無憂  刑事 2件/民事 30件

騙されるほうが悪いという伝統文化はここでも健在だった。中国で生きるということは大変な難事である。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

【編集部のオススメ記事】
2017年も勝率9割、株価好調の中でもパフォーマンス突出の「IPO投資」(PR)
資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
株・債券・不動産など 効率よく情報収集できる資産運用の総合イベント、1月末に初開催(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)