9月1日、財務省は保有する日本郵政 <6178> 株の追加売却を9月中にも行う方針であると複数報道機関が報じた。売り出し規模は最大で1兆4000億円になるといい、売却による収益は東日本大震災の復興財源に充てられる。追加売却が決まれば、2015年11月の新規株式公開以来となる。

2015年11月の新規株式公開以来 追加売却第2弾

日本郵政,売却
(写真=PIXTA)

財務省は日本郵政株の追加売却を月内にも行う方針を9月1日に固めたと複数報道機関が報じている。売り出し規模は最大で1兆4000億円になる見込みである。

政府は2015年11月の新規株式公開時に約2割の日本郵政株を売却し、1兆4000億円の収入を得たが、現在も日本郵政株の8割強を保有している。郵政民営化法によると、政府はできるだけ早く保有比率を3割超にまで下げると定められている。また、2022年度までに売却によって計4兆円の収益を確保し、東日本大震災の復興財源に充てる計画であり、後数回あると予想される追加売却のタイミングに注目が集まっている。

今回の第2次売り出しに係る主幹事証券は3月に決定されている。当初は7月と予想されていた追加売却であるが、4月に子会社である豪物流最大手トール・ホールディングスに係る4000億円の損失計上を発表した事等が影響し、延期されていた。

業績も回復傾向、株式市場は底堅い値動き 追加売却にはベターなタイミングか?

このタイミングでの追加売却であるが、8月10日に発表した2018年3月期第1四半期決算(4~6月)では、連結経常利益が前年同期比49%増となる218億円、連結純利益は同26%増となる104億円と前年同期比での伸長を見せている。売上高にあたる経常収益こそ前年同期比3%減となる3271億円であったものの、トール・ホールディングスに係る現存処理を2017年度3月期に一括計上した事により、収益改善が見込める事を市場に示している。5月に示した2018年度3月期の通期業績予想である連結経常利益7800億円、連結純利益4000億円に向け、進捗ペース以上のスタートを切った事となる。

相場環境も追加売却を後押ししている可能性がある。日経平均株価は2万円に近い水準で底堅い値動きが続いており、相場の地合は悪くない。日本郵政株も1300円台での推移が続いているが、復興財源に必要な目標額を確保するのに必要な1230円のラインは上回っている。海外情勢による相場の先行き不透明感や前回売り出し価格の1400円を下回る状況等、ベストのタイミングでは無いものの、今後の追加売却スケジュールを考慮すると、ベターと捉えても然るべき要素はあると言える。

報道を受けて、4日の日本郵政株は前日比3.28%安となる1326円まで下落している。追加売り出しに伴う、需給悪化を懸念する売りに押された。そもそも同社は中核事業である日本郵便の郵便・物流事業の改革という課題を抱えている。野村不動産ホールディングス <3231> の買収交渉も白紙になっており、今後の成長性を市場に示せずにいる。それに加え、常に需給悪化懸念も抱えており、上値の重い値動きが続いている。年初来の値動きでも日経平均株価を下回る。

追加売却は今後、幹事証券会社等が会合を開き、市場動向等を勘案して決定されるという。市場動向の見極めも非常に重要であるが、既存株主を含めた投資家との対話も重要であろう。投資家との対話を疎かにすれば、今後を含めた追加売却をスムーズに進める事は困難だ。(ZUU online編集部)

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