男子フィギュアスケート界を描くテレビアニメが「ユーリ!!! on ICE」(2016年10月5日から全12話放送)が大人気だ。舞台になった佐賀県唐津市への「聖地巡礼」は、2017年5月には世界27カ国からのべ2万2000人に達したほか、企業(ローソン、東急ハンズ、サンリオなど)との「コラボレーション」も盛んだ。

オリコン2017年上半期ランキングでのBlu-ray(音楽を除く)部門で、「1」から「6」までの6タイトルすべてが25位以内に入った。最高位は「6」(2017年5月26日発売)の13位。推定の累積売上数は5万4224枚だ。アルバム部門ではサウンドトラック盤が1位であった。

きょう8日から再現された衣装や等身大のキャラが並ぶ「ユーリ!!! on MUSEUM」の名古屋会場での展示が始まる(10月1日まで、名古屋パルコにて)。これほど人気の「ユーリ!!! on ICE」の人気を支えている層は大きく2つに分類できるようだ。

羽生結弦、浅田真央以降に増加したフィギュアスケートのファン

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© はせつ町民会/ユーリ!!! on ICE 製作委員会

羽生結弦選手がアジア選手で初めて、フィギュアスケート男子シングルの金メダルを獲得したのは2014年のソチオリンピック。浅田真央選手が惜しまれながら競技選手としての引退を発表したのは2017年である。この2選手を始めとする日本人のフィギュアスケーターが活躍したことによって、国内でのフィギュアスケートファンは増えた。

国内だけでなく、海外のフィギュアスケート選手が「ユーリ!!! on ICE」好きであることをSNSで発信している。現役のフィギュアスケート振付師である宮本賢二氏がアニメ内のプログラムを振り付けたことで、アニメの質がフィギュア関係者にも評価されたのだろう。

2016-2017シーズンにおいて出場した全大会で優勝し、文句なしの世界女王であるシングル女子のメドベージェワ選手(ロシア)もそのひとりだ。自身のTwitterやInstagram上で公言している。他には、皇帝と呼ばれるプルシェンコ(ロシア)、ジョニー・ウィアー(アメリカ)両選手など、数多くの有名スケーターが挙げられる。

プロのフィギュアスケーターがアニメのファンであることを語るのは宣伝になる。憧れの選手が作品を勧めれば、ファンは見たくなる。普段はアニメを見ていない層のフィギュアスケートファンが「ユーリ!!! on ICE」に流れてきた。

イケメンキャラ好きのアニメファン

日本動画協会は「アニメ産業レポート2016」で、2015年のアニメ産業市場は総額1兆8253億円に達したことを報告している。2014年(総額1兆6296億円)と比較して12パーセント増だ。2013年(1兆4913億円)から2年連続の2ケタ増となり、アニメ産業が順調であることを示している。

アニメの系譜を俯瞰すれば、「ユーリ!!! on ICE」は「テニスの王子様」や「黒子のバスケ」、「ハイキュー!!」などの延長線上にあるといえるのかもしれない。共通するのは「スポーツ」「イケメンキャラ」である。軽い「ボーイズラブ(BL)」要素も含んでいる。

「ユーリ!!! on ICE」は現実のフィギュアスケート界(試合の日程やルールなど)を忠実に盛り込まれていた。ひとつ間違えれば、マニア(スケオタ)向けの複雑なアニメになっていただろう。複雑を、キャラやストーリーでカバーした。フィギュアスケートのルールを知らなかったアニメファンにもウケた点は見逃せない。

「フィギュアスケートファン」と「アニメファン」の両方から支持された「ユーリ!!! on ICE」。放送終了後も人気が続いている。2017年5月、完全新作である劇場版「ユーリ!!! on ICE」を制作することが発表された。企業とのコラボレーションは続いている。

2018年には韓国の平昌(ピョンチャン)で冬季オリンピックが開催される。国内でのフィギュアスケート界にも多くの視線が集まるだろう。アニメ「ユーリ!!! on ICE」は引き続き注目のコンテンツである。(吉川敦、フリーライター)

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