地方や人気のないエリアでの家具付き物件などは、空室対策に効果があると注目されてきました。しかし今、都市部の駅近物件でもあえて取り入れるほうがいいと注目されています。

(写真=ParvinMaharramov/Shutterstock.com)
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ステージング、家具付き物件とは?

ステージングとは、アメリカで中古のリゾート物件を少しでも高く売却するために行われたのが発祥だと言われています。新築分譲地やマンションなどではモデルルームを設置して、集客の役目をしています。

しかしステージングは、あえて中古物件そのものにインテリアなどを魅力的に配置し、希望者がいればそのまま売却してしまうというスタイルです。アメリカでは、ステージングをするだけで1,000万円以上も相場より高く売れたというケースもあるそうです。日本では、売り物件にステージングを取り入れる不動産会社も出ていますが、今では賃貸物件に取り入れることで早期の入居者付けを狙えると注目されています。

家具付き物件とは、海外では当たり前だった賃貸物件の集客方法です。スーツケース一つで入居するシングルライフなどにとっては、家具や家電が備えつけられていると入居後すぐに生活が始められます。そして、退去後も次の入居者がそのまま使います。日本では、中古の家具家電や誰が使用したのかわからない物を使うことに懸念する傾向にありましたが、資源の再利用やリサイクルの意識が高まってきています。そのためか、賃貸物件では家具、家電付き物件もかなり増えてきました。

本来なら客付けが難しい物件への対策だった

ステージングや家具付き物件は、地方や駅から遠い物件の空室対策として、ここ数年取り入れる不動産オーナーが増えていました。不利な立地なので、内覧に来た人に少しでも気に入ってもらい、入居へつなげるというのが狙いです。サイト内の項目でも、「家具付き」や「デザイナー賃貸」という項目に掲載されるため、効果は大きいといいます。

しかしこの方法、どうやら都市部の便利な立地でも取り入れるオーナーが増えてきているようです。急速に人口が減少している日本では、都市部の物件だからと言って安心ではないという考え方もできます。融資を受けて購入をしたオーナーにとっては、少しの空室も深刻な問題になります。内覧者の成約率を上げて、空室日数を減らすという戦略です。

「持たない暮らし」ミニマリストが家具付き物件に注目

「スーツケース一つで次の入居先を探す」……日本のシングルライフも、そんな欧米スタイルが定着しつつあります。また、若い年齢層に増えている「ミニマリスト」。彼らは物が増えていくことを極端に懸念します。最低限の自らの持ち物と、最低限の暮らしに必要な家具と家電のある部屋に住み、物に執着することなく気楽に暮らしていきたいと考えています。また彼らは、お金を「物」ではなく自分の人生の「楽しみ」のために使うので、趣味にこだわれるエリアや、好きなものに囲まれる都市部のおしゃれなエリアに住むことを優先します。

ここで注意したいのは、決してやりすぎないということです。ステージングも家具付き物件も第一印象で「ここに住みたい」と思ってもらうことが重要です。ターゲットをある程度設定して、費用や家具の豪華さで勝負するのではなく、魅力的な部屋作りを目指しましょう。

ステージングに使用した家具の買い取り希望が出ないときは、保管場所に困るという人もいるかもしれません。これも貸出付きで家賃に上乗せしたり、家賃はそのままで5年間以上の入居でプレゼントしたりという契約にしても喜ばれるでしょう。

人気のエリアや都市部での賃貸経営は、まだ空室対策に悩まされることも少ないですが、将来的には安心できない要素を含んでいます。いざというときのために、ステージングや家具付き物件を所有物件の一つで試しておくと良いでしょう。

(提供: 不動産投資セミナー

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