2016~17年、中国職場人(雇用者)の平均在職期間は26カ月だった。これは2014~2015年の34カ月、2015~2016年の31カ月からさらに短くなっている。経済ニュースサイト「界面」が伝えた。この傾向はさらに進むのだろうか。実態にせまってみよう。

求職者の新しい傾向

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(写真=PIXTA)

Linkedln中国の発表した「2017中国人材趨勢報告」は、中国の職場における人材の流動性は明らかに増していると分析している。

平均在職期間が26カ月になった。中国の雇用者は平均2年でより良い職場を求めて、ジャンプアップしていることになる。またビッグデータによると60%を超える雇用者は、新しい職業機会を求めている。Linkedln中国の社長は「人材流動化の加速している原因は、経済環境の変化に加え、新しい価値観の登場にある。グローバル化と技術革新は、地域と業界の境界を打破した。これは職業選択をさらに多様化させた。現在中国の雇用者は、“開放”“越境”“モチベーション”という三大特性を持つ。」と述べている。

優秀な人材を集める業界と求職傾向

近年、とくに人材を吸引するデータを示しているのは、インターネット+伝統的業界との融合地点である。例えば2017年「ネット教育」は、もっともホットな投資領域である。2017年ネット教育の市場規模は2000億元になると見られる。ネット業界そのものの人材吸引力はやや頭打ちだが、この教育研究業界など、新しいネッとのト融合が進む部門は完全な人手不足だ。

これに比べ、製造業や不動産業などは、2014年以降は必要な求人が集まらない、マイナス圏に沈んでいる。

そして新しい求職の動機は、収入から自己実現へと向かっている。彼らの80%は面接のとき、志望動機は、職業キャリア発展の機会を求めにきたのであって、高い報酬が目的ではないと表明している。自分の長所を発揮し、職場で重きを成したい。より影響力の強い人間を目指すのがモチベーションであるという。

一般的な人材の現実

しかしそれだけが在職期間26カ月の原因とは、とても思えない。きれいごとに過ぎる。優秀な人材は確かにそのような傾向を強めているのだろう。一般人の現実はどうだろうか。筆者の中国人妻の甥(姉の子)のケースから探ってみたい。

彼は大学受験で本科(四年制大学)を目指したが果たせず、専科(三年制)に進む。卒業後は中堅のホテルに就職した。しかし面白くなかったようで、一族に求職を依頼していた。すると韓国系食品メーカー管理職の叔父(妻の弟)が、別の外資系食品メーカーを紹介してくれた。営業職についたものの成績は芳しくなかった。よく一族の食事会で、叔父に説教されていた。そして今年の夏、ついにクビになる。するとまたしても叔父をたより、別の食品メーカーに何とかもぐり込んだ。もちろん会社のレベルは落ちた。

これが優秀とはいえない一般的人材の現実だろう。在職期間26カ月には、こうしたもう一方の現実も色濃く反映されているはずである。研究機関の発表を鵜呑みにすることはできない。なにかと思惑のからむ中国ではとくにそうである。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

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