中国がカマンベール、ブリー、ロックフォールなど、ソフトチーズの輸入を禁止したことが、関連企業の話から明らかになった。ソフトチーズの熟成プロセスに用いられる細菌の人体への悪影響への懸念が理由だという。

駐中欧州連合代表部の代弁者、ウィリアム・フィングルトン氏は、「中国市場でソフトチーズ販売が廃止となった」と認めると共に、欧州で製造されているソフトチーズの安全性を主張し、「廃止にすべき理由が見当たらない」と抗議の意を示した。

在庫処分後、新たな輸入は全面禁止に

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(写真=Thinkstock/Getty Images)

乳固形分を圧搾し硬質で濃厚な風味に仕上げたハードチーズとは異なり、ソフトチーズは独特の滑らかさが魅力だ。

代表的なものではクリームチーズ、カッテージチーズ、モッツァレラ、マスカルポーネといったフレッシュタイプから、表面に白カビを繁殖させる熟成を促すカマンベールやブリー、青カビを繁殖させるロックフォールやゴルゴンゾラなど、ソフトチーズだけでも様々な原料や製造プロセスが存在する。

CNN の報道によると、中国における輸入・販売が禁止対象となるのは、細菌を使って熟成させたソフトチーズだ。カマンベールやブリー、ロックフォールが、新たな規制に該当するチーズとして挙げられている。モッツァレラなどは規制対象外となる。

上海市商務委員の広報部員は、「6月の時点で政府から国内の輸入食料品業者に対し、細菌を含むソフトチーズ廃止についての正式な通告があった」と述べた。

手持ちの在庫の販売は許可されているが、今後新たに輸入することは違法となる。

国内の販売業者や欧米の製造業者、酪農場にとって大きな打撃

中国がソフトチーズの輸入禁止に乗りだすのは、今回が初めてではない。

2014年に英国でソフトチーズを製造していた酪農場の安全基準が低いとし、英国製のチーズの輸入を一時的に禁止。しかし「この際中国の食品監視官が訪れた酪農場は、中国にチーズを輸出していなかった」ことなどから、英国政府は輸入禁止の撤回を要請した(BBCより )。

2008年にもイタリアでモッツアレラチーズから基準値を超えるダイオキシンが検出され、回収騒動が起きた際、イタリアからのモッツアレラチーズの輸入を一時禁止している(ロイター より)。

しかし今回のソフトチーズ輸入禁止に関しては、これまでの短期的な規制強化とは異なるとの意見もある。

上海に拠点を置くチーズ供給業者、チーズ・ルパブリックのヴィンセント・マリオンCEOは、WeChatで顧客にソフトチーズ輸入禁止を知らせると共に、「細菌の入っていないチーズなど、本物のチーズとはいえない」とコメントした。

近年、中国では消費者の趣向の変化からチーズ人気が高まり、2014年1〜10月だけでも欧米から5.6万トン(前年比1万トン増)のハード、ソフトチーズを輸入している(フードナビゲーター・コム調査 )。最大のチーズ取引国はニュージーランド、オーストラリア、米国。欧州からはフランスやデンマーク、イタリアなどが続く。

今回の動きは国内の販売業者だけではなく、欧米の製造業者や酪農場にとっても、手痛い打撃となりそうだ。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

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