邦銀初のアクセラレータを手がけた三菱UFJフィナンシャル・グループが新たなアクセラレータプログラムを始めた。同グループのシンクタンク・コンサルティングファームである三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC)による「LEAP OVER 飛び越えろ!」だ。

9月11日夜、都内で第1回説明会が行われ、多数の企業が参加した。同日の説明会では、「高砂熱学工業アクセラレータ just move on!」の概要も説明された。

MUFGは既にグループで「デジタルアクセラレータ」を手がけている。その中で、新たに同様の取り組みを始めるのには理由がある。実際、マッチング・協業先としてTIS株式会社、MURC Innovation&Incubation室などが決まっているほか、別プログラムではあるものの高砂熱学工業も名を連ねている。事業化の具体性は高そうだ。

MURC主任研究員でLEAP OVER代表の杉原美智子氏は、アクセラレータが多数誕生している現状について、マッチングで終わっているところも多いと指摘。「オープンイノベーションの必要性に対して懐疑的な声も出ていることを嘆いたうえで、企業を顧客として持つコンサルティングファームだからこそできるアクセラレータがあるとその意義を強調した。(取材:濱田 優 ZUU online編集長)

MUFGがアクセラレータに熱心な理由

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(写真=ZUU online編集部)

説明会では、MURC取締役専務執行役員の鷲見英二・新事業開発室長が登壇、あいさつで「スタートアップに成長の機会を提供するという意味で、お客様企業にも有意義であることはもちろん、MUFG自身がカルチャーを変える狙いもある」と取り組みの狙いを述べた。

杉原氏はアクセラレータの概要やMURCとしての支援体制を説明。「オープンイノベーションは、デジタル技術の急速な進展と市場環境の急速な変化への打ち手の一つ」と説いた。

説明によると、プログラムの対象となる募集分野は3つで、「Life(医療・保育・介護など生活全般)」「Work(働き方改革、業務効率化、生産性向上)」「Community/Local(地方創生、都市課題解決)」。技術領域としては、IoT、AI、Robot、AR/VR。これらの分野、領域で革新的なビジネスの立ち上げを目指す企業が対象で、新規事業、既存事業を軸にした参入も可という。

いずれの企業もインキュベーション、イノベーション組織を設立

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(画像=Webサイトより)