「ドバイ・サイエンスパーク内に2棟の高級マンションを建設し、最初の150軒をビットコインで販売する」 という、ビットコイン建て不動産開発事業が発表された。

2.5億ポンド(約360億円)を投じた巨大プロジェクトで、プール、野外映画館、ショッピングモール、医療施設などを設備した高級商業施設複合型タワーマンションとなる予定だ。ウェブサイトを見る限り、住居用というよりは投資用物件として売り出されている。

初期ビットコイン決済には最高20%の割引特典

ビットコイン,不動産開発,高級マンション
(写真=Aston Plaza.comより)

「アストン・プラザ・アンド・レジデンス 」という名称の分譲マンション事業で、初売りで購入した投資家は「8~10%の年間賃貸利回りが期待できる」そうだ。

敷地面積は240万平方フィート (約7.3万平方メートル)、全423戸。40階建ての1~31階までが住居となり、娯楽施設などはその上に建設される。

スタジオタイプ(日本のワンルームマンション)は30ビットコイン(BTC)から、1LDKは51BTCから、2LDK は79BTCからという価格帯だ 。ドル建てなので為替レートによって変動する。

15~20%の割引を受けれるという特典付きで、最初の150軒限定でビットコイン払いが可能だ。価格自体は初売り期間期間終了(2018年1月)が近づくにつれ、徐々に値上がりしていくようだ。

ビットコイン決済大手BitPayが、ビットコイン決済を処理する。完成は2019年9月予定。インテリアデザイン・サービスや家具の購入なども、ビットコイン決済を受けつけている。

バロウマン会長「テクノロジー産業と不動産の融合」

大規模なビットコイン建て不動産開発事業を立ち上げたのは、運用資産総額15億ポンド (約2161億円)というノックス・グループ・オブ・カンパニーのダグ・バロウマン会長と、パートナーである著名女性実業家、ミシェル・モネ男爵夫人だ。

ベテラン不動産開発者兼投資家のティム・ケイグ氏などが、サイドを固める。ノックス・グループはマン島を拠点とする企業で、ドバイや英国を含む欧州圏で事業を展開している。

バロウマン会長はドバイで進行中のデジタル改革プロジェクトを、「デザイン、アーキテクチャー、商業性の頂点」と賞賛。さらなる飛躍を目指し、「テクノロジー産業と不動産を融合させることで、ユニークなチャンスを提供する」ために、ビットコイン建て不動産開発事業に着手したという。

CNNの取材に応じたモネ男爵夫人は、「このプロジェクトがビットコイン促進に貢献することを望んでいる」と同時に、ビットコイン投資の新たな旋風となるとの期待をいだいている。

また目的はあくまで「不動産開発事業」であるため、販売後にはビットコインを投資商品として保有せず、即換金する意向を示している。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

( FinTech online編集部

【編集部のオススメ FinTech online記事】
金融業界のビジネスパーソンはFinTechの進行に危機感を持たなければならない
最新の株価指数「FinTech指数」とは?
ロボアドサービスを公開したウェルスナビ「より使いやすい見た目や操作感を……」
CEATEC開催 MUFGが初出展、AIを活用したサービスを展示
「FinTech化が進む金融業界で活躍できる人材とは?」