分譲マンションで快適な生活を送る上で、「管理」という項目は表立って取り上げられる事こそ少ないが、重要な要素であろう。不動産コンサルティングを手掛けるスタイルアクトは、第9回目となる「管理会社満足度ランキング」の結果を9月7日に公表した。管理会社に対する評価を住民目線で見る事が出来る貴重な調査となっている。

2017年総合満足度トップ10は?

マンション,管理会社
(写真=PIXTA)

調査は同社の運営する新築分譲マンションのセカンドオピニオンサイト「住まいサーフィン」の会員の内、マンション購入済みの入居者等2023人を対象にインターネット上で行われた。2009年から実施しており、今回で9回目となる。

調査の目的は資格者の数や管理個数等の外形的なランキングではなく、入居者の声を聞く事にある。管理人、管理会社、管理費・修繕、生活サービス、全体満足度、推奨度の6項目を調査し、全体満足度と推奨度の平均値から総合満足度を算出している。

総合満足度の高い管理会社の上位10社は次のようになっている。

順位(前回順位) 企業名 総合満足度
1位(1位) 野村不動産パートナーズ 73.4ポイント
2位(3位) 三井不動産レジデンシャルサービス 70.5ポイント
3位(2位) 住友不動産建物サービス 70.4ポイント
4位(4位) 伊藤忠アーバンコミュニティ 65.3ポイント
5位(5位) 東京建物アメニティサポート 65.0ポイント
5位(9位) 三菱地所コミュニティ 65.0ポイント
7位(16位) モリモトクオリティ 64.4ポイント
8位(12位) 東急コミュニティー 63.5ポイント
9位(10位) 長谷工コミュニティ 63.3ポイント
10位(7位) 大成有楽不動産 63.1ポイント

野村が9年連続で首位に

総合満足度が最も高い管理会社は野村不動産パートナーズとなった。前身となる野村リビングサポートを含めると、9回の調査全てで野村不動産グループが首位に立っている。管理会社としての業務遂行やフロント提案等の評価が高く、満足度、推奨度共に1位と文句なしの成績となった。同社は管理組合の理事経験者のみを対象としたランキングでも1位となっている。実務面で直接的な関わりの多い理事経験者からの支持も得ている事は、注目に値すべきであろう。

2位は三井不動産レジデンシャルサービスとなった。項目別で1位となった項目は無かったものの、管理会社としての評価を中心に全体的に高評価を受けており、前年から1ランクアップとなった。

3位は住友不動産建物サービスである。管理人に対する評価等で高評価を受けているが、三井不動産レジデンシャルサービスに僅かに及ばず、前年から順位を1つ下げる事となった。

4位の伊藤忠アーバンコミュニティは管理会社としてのフロント対応等で高い評価を受けた。管理戸数10万戸未満の企業の中では、4年連続で最も高い順位に位置する結果となった。

管理人の満足度 管理会社によって対応力やホスピタリティに大きな差も

居住者にとって、日々接する管理人は管理会社の関わりの中で最も身近で重要なものであろう。管理人の満足度について確認したところ、各項目における満足度の平均は、「挨拶、身だしなみなど」で82.3%、「日常業務遂行」で84.9%、「対応力」で73.6%、「ホスピタリティ」で71.3%、「コストパフォーマンス」で72.2%となった。管理人に対する満足度は各項目とも高いという事が分かった。

ただ、管理会社によって、管理人のサービスの質には差が見られるようである。特に「対応力」と「ホスピタリティ」の項目に関しては、最上位評価と最下位評価を得た管理会社の差が40%以上離れている。こうした項目は管理会社の差がつきやすいポイントであるとも言え、管理会社の評価を決める際の参考となろう。

分譲マンションでの快適な生活において、管理会社の果たす役割は非常に大きなものがある。スタイルアクトの実施する「管理会社満足度ランキング」は9回目となり、管理会社の注目度も非常に高まっている。こうした調査が管理会社の研鑽を促し、より良いサービスが提供される事に期待したい。(ZUU online編集部)