米国の量販店コストコが中国・上海出店を計画しているという。第一財経日報が報じている。詳細なタイムスケジュールは未定だが、場所は浦東または虹橋地区が候補とみられる。一方で9月中旬、中国最大のネット通販サイト天猫に旗艦店をオープンした。コストコはいかなる中国戦略を描いているのだろうか。ネットニュースサイト今日頭条を始め、各サイトが観測記事を載せている。

ネット通販に旗艦店

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(写真=Jonathan Weiss/Shutterstock.com ※写真は米国内の店舗)

9月に立ち上げたコストコの天猫旗艦店は、同じコストコが2014年に開設した天猫国際店とはまったく違うものである。天猫国際は、保税区に備蓄した商品だけを消費者に提供する形である。保税区には制限があり、アルコールを含む飲料、ドライブレコーダーなどの小家電、2000元以上の電子産品は販売が難しかった。しかし今回の旗艦店では正式に輸入するため何の制限も受けない。販売する商品は一気に拡大する。

当面、国際店と旗艦店は、コストコ台湾が米国本部の委任を受けて運営する。天猫国際の総経理(社長)は「コストコは正規に商品を輸入することで、大規模販売の準備が整うことになる。これはネット通販と実店舗の整合をにらんでいる。また通販2店で異なった商品を提供して、ターゲットとする消費者層の反応を窺がおうとするものだ。」と述べている。

商品展開は?

コストコは、ウォルマート唯一のライバルと言われている。そのビジネスモデルは、商品を絞る、ロープライス、会員制の3つを特徴とする。そして全世界で保証可能な4000前後の精選されたSKUを持っている。ここ5年利益率は11%前後を保持している。ロープライスと利潤の源泉は年会費にある。

天猫によれば、新しいコストコ旗艦店では、まず300品目の商品をラインアップ。生鮮、家電、家具、生活用品、ワインなどから徐々に拡大する。ストアブランドのKirkland Signatureも展開する。

一方従来からの国際店は、すでに500品目を持っている。一般食品、化粧品、栄養保健、靴、服飾などである。

新中産階級をとらえられるか

海外スーパーの見据えているのは、中国の“一億新中産”である。天猫国際の社長によると、新中産は簡単に収入と商品を秤にかけない。80后(1980年代生まれ)90后(90年代生まれ)の収入は増加し、食品、酒、健康関連の高品質な海外商品への需要が高い。

しかしコストコ・ジャパンを見る限り、新中産の望むような高品質のメイドインUSA商品はあまりない。それもあってコストコ旗艦店では、まず生鮮食品でアドバンテージを得ることを最大の目標としている。

天猫国際サイトには、コストコ以外にも20の海外スーパーが出店している。ドイツのALDI 英国のSainsburysなどである。そして彼らは実店舗開設の計画を持っていない。

コストコ2017年第二四半期の決算は増収減益と芳しくない。中国市場を新たな収益源としたいのだろうが、すでにオーバーストアの上海中心部へ出店して、果たして成果は得られるのだろうか。中国ではアリババや通販2位の京東などが、通販と実店舗融合の実験店舗を次々にオープンさせている。いずれも小型店である。それらの取組に比べてコストコの動きは周回遅れの感が強い。とても激変する中国小売業界の主役級にはなれそうもない。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

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