米Amazonの投資戦略が世界的に話題となっている。北米第二本社の建設や高級スーパー、ホールフーズの買収が、過剰投資ではないかと心配する向きもあるようだ。そのアマゾンは中国でも新しい動きを見せていた。数百名の“高級”人員の募集を開始したというのだ。ネットニュース今日頭条は「アマゾン捲土重来、アリババに挑戦?」という見出しで、その動向を伝えている。

高度な人材を募集

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(写真=testing/Shutterstock.com)

アマゾンは中国でソフトウエアのエンジニアとAlexa(アマゾンが開発したAIアシスタント)の設計士の募集を開始した。数百にのぼる職位である。アリババの地位を蚕食し、中国における地位の“修復”に乗り出したようだ。

今回アマゾンが求人サイトにアップしたのは約400の職位である。さらにLinkedln上には900の職位が控えている。その中には、管理人員やAmazon Lending(マーケットプレイス出店者向け融資サービス)の責任者、さらに天猫店の責任者も含まれる。さらにハードウエアのエンジニアが1人、これはAlexaに関して第三者との合弁事業を展開するためである。

募集職種を見ると、アリババの天猫にも出品を予定するなどいろいろな含みがありそうだ。

圧倒的なシェアの差

2016年、BtoCネット通販のシェアは1位 アリババ47%、2位 京東20%、3位 唯品会3%。アマゾンはたった1.3%である。

しかし強大な競争相手と日々成熟していくネット通販の市場法規を前にしても、アマゾンは中国市場を諦めていない。

アマゾンはネット通販では世界の巨頭である。そのため中国の輸入商品市場において一定の地位を占めている。中国工商銀行(国有四大銀行の資産トップ)のデータでは、2016年第四四半期、アマゾンの越境Eコマースに占めるシェアは7%であった。

2016年末には、Amazon Primeの無料配送サービスと越境Eコマースでは、一定の成績を収めている。さらにアマゾン中国は、2017年第一四半期の海外購入額が、前年同期比の11倍になったと発表した。2016年アマゾンの輸入貨物は1万4885コンテナだったが、2017年には2万コンテナが見積もられている。また2017年第二四半期には越境Eコマースは7.6%伸びたと見られる。

しかし先日発表された2017年上半期のシェアは、1位、アリババ50.2%、2位、京東24.5%、3位、唯品会6.5%と上位がさらにシェアを伸ばしている。アマゾンはその他の中に埋もれてしまった。

中国の誘いに乗る

中国アマゾンのサイトをみると、やはりEコマースを看板としていた。海外直輸入商品を強調するスタイルが目立つ。それ以外にも一応ほとんどの商品は網羅されている。「自営」と記された商品も多く、直営のように見える。スタイルだけを見ればアマゾン・ジャパンとあまり変わらない。

かつて中国は、通販業者は中国資本以外認めないなどの参入規制を実施し、一旦海外勢を締め出している。国内企業が十分育つのに合わせて資本規制などを徐々に緩和した。今ではアマゾンもグーグルも歓迎します、とくにAI研究センターを作って下さいという姿勢である。

一旦煮え湯を飲まされたアマゾンは、その誘いに乗ることにした。AlexaなどAIも中国の期待通り手掛けていく。最優秀な人材を募集して育成する。その一方で天猫にも出店する。当面は試行錯誤が続くのだろうが、過剰投資にはならないようにしてもらいたいものである。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

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