インドを訪問した安倍首相はモディ首相と会談し、新幹線方式の高速鉄道建設の建設などに1900億円の円借款の供与に合意したことを明らかにした。モディ首相はインドが日本の円借款の最大の供与国であることに触れ、「心から感謝したい」と述べた。両首相はこのほか北朝鮮の核・弾道ミサイル開発をめぐる共同声明を発表した。

日本の新幹線方式を導入したムンバイ—アーメダバード間の約500キロを結ぶ高速鉄道には、1900億円のうち1000億円を充てる。今回は、人材育成施設の整備などを行う。モディ首相は「大きな一歩だ。新しいインドのライフラインになる」と歓迎した。

総事業費1兆8000億円中1兆円余りを円借款供与

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(写真=Yuri Turkov/Shutterstock.com ※写真は2016年撮影)

新幹線方式の高速鉄道建設は、安倍首相が2年前の2015年12月にインドを訪問した際に決まった。来年着工される高速鉄道建設計画は、アーメダバードと最大の経済中心都市ムンバイ(旧ボンベイ)間の約500キロを新幹線で結ぶ計画である。所要時間は現在の約8時間から2時間程度へと大幅に短縮される。

モディ首相は鉄道網の近代化を重点政策に掲げており、アーメダバードはかつて行政トップを務めた西部グジャラート州の主要都市。今回のルートは、高速鉄道時代の幕開けを飾るのにふさわしい路線といえる。当初はフランスが受注で先行していたが、当時安倍首相は、約1兆8000億円に及ぶ事業費の内、日本から1兆円余りを円借款による低利融資で融資することで合意した。

有望市場に中国はじめ各国も参入競争

zこの新幹線の建設工事は2017年にスタートし、2023年に完成する予定だ。海外における新幹線方式の採用は、2007年に開業した台湾に続く2例目。インドには、今回のムンバイ—アーメダバード間に続く高速鉄道計画がいくつもある。

日本がインド国内で新幹線方式を採用されるのが1路線にとどまるのであれば、勝利どころか敗北の烙印が押されてしまう。安倍首相は共同記者発表で、「日印新時代」を大きく発展させると強調した。飛躍の時代を次につなげるためにも、今回の経済協力を成功させて、さらなるプロジェクト獲得につなげたい。(長瀬雄壱 フリージャーナリスト、元大手通信社記者)

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