出典: http://gazoo.com/article/gr/170919.html

トヨタ <7203> がスポーツイメージを高めた新グレード「GR」を発表、ヴィッツやプリウスPHVなど2018年春までに9モデルまで拡大する予定だ。HVやミニバンなど環境性能に優れた高品質な実用車のイメージが強いトヨタだが、GRブランドで走りへのこだわりを持つユーザーにも訴求したい考えだ。

G'sからGRになり商品ラインナップも拡大

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ヴィッツ GR SPORT "GR"(画像=TOYOTA Webサイトより)

2011年から展開されてきたスポーツグレードG's(G SPORTS)は、正規ディーラーで購入できるカスタマイズモデルとして一定の人気があった。専用のエアロパーツによる精悍なルックスや走りの楽しさが魅力だが、本格的なスポーツカーのイメージは希薄だった。

「GR」ブランドでは、ハイスペックエンジンを搭載し究極のスポーツモデルを目指す「GRMN」、エンジン以外の全てに手が入る本格スポーツの「GR」、ボディと足回りのチューニングと専用の内外装に留め、日常の使いやすさを持つ「GR SPORT」に分け、商品体系をわかりやすくしている。またレースカーレベルの性能を持つGRMNを頂点とすることで、スポーツカーブランドとしても背骨が入った。

マークX、ノア/ヴォクシー、アクアなど幅広い車種に展開していたG'sはGR SPORTで復活し、ブランドの中でスポーツカーファンのすそ野を広げる役割を担う。

また購入後のカスタマイズに対応するアフターパーツの「GR PARTS」や、スポーツカーに特化した販売店「GRガレージ」も39カ所を今年度中に展開するなど、オーナーやファンを広範囲にサポートする予定だ。

レーシングテクノロジーを市販車にフィードバック

トヨタのモータースポーツ活動を統括するGAZOO RacingがGRの由来だ。日本ではモータースポーツに対する注目度が低いが、ルマン24時間レースで有名な世界耐久選手権(WEC)、2017年からヤリス(日本名ヴィッツ)で復帰した世界ラリー選手権(WRC)などで、GAZOO Racingは優勝を争う強豪チームになっている。

これらのレースで得た知見やノウハウを、市販車の生産工程の中で作り込めるファクトリーチューニングがGRの強みになる。スポット溶接の追加や専用パーツの組み込みなど、生産ラインにGR用の工程を組み込むため品質も高く、価格も比較的安価に抑えることも可能だ。

ターゲットはクルマ好きの団塊世代と若年層の掘り起こし

「GR」ブランドに最も興味を示すのは、スープラやセリカなどトヨタのスポーツカーで青春時代を過ごした団塊世代のクルマ好きだろう。子育ても終わり、もう一度スポーツカーに乗る優越感や高揚感を味わいたいなら、本格スポーツのGRは最適だ。

クルマ離れといわれて久しいが、若年層でもクルマを趣味とする人がいないわけではない。GR SPORTは標準モデルに数十万プラスするだけ購入でき、財布の軽い若者にも優しい。ヴィッツやプリウスPHVなどのファミリーカーにも設定されているので、同居する家族の承諾があれば共有するのも可能だろう。

そうはいっても、いつの時代もスポーツモデルはニッチな存在だ。「GR」ブランドで5年以内に5万台を目指す計画だが、他のスポーツカーブランドよりも歴史や伝統でハンデがある「GR」が達成できるかは未知数だ。

ブランド力の強化は継続すること

スバルのSTIや日産のNISMOはレースでの名声を活かし、市販車でありながらレースに出場できるほどのハイスペックなモデルを長年発売し続けている。公道では全力を試せないほど高性能だが、レースカーと同じスペックを持つ「ホンモノ感」がクルマ好きの所有欲を満たしてきた。

GRでもWRCで大活躍中のヴィッツに、210psの1.8Lスーパーチャージャーエンジンを搭載したGRMNの限定発売が予定されているが、2018年春まで待たなければならない。イメージリーダーとなる存在が、ブランド開始時に準備されないのは残念だ。

またGRのブランド力の元となるレース活動には、莫大な金がかかる。レースでの厳しい戦いはクルマ作りに対する信念を試される場であり、レース結果や会社の業績次第で撤退するなら単なる宣伝活動だ。GRは、これまでのトヨタでは希薄だったモータースポーツ活動と、市販車をつなげる試みになる。どんな状況になってもレースで戦い続け、たとえ赤字でも市販モデルを作り続けていけば、GRは真のスポーツカーブランドになれるだろう。(ZUU online編集部)

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