2017年度の基準地価は福岡、北海道、仙台など中核都市での上昇も目立った。特にニセコの倶知安町の住宅地では前年比30%以上の上昇という結果となった。外国人によるリゾート需要が影響を与えているという。

オーストラリア人の口コミから始まった人気

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(写真=PIXTA ※画像はイメージです)

ニセコはバブル期に最盛期以降、町民が結束を固め町が廃れないように努力してきた町である。2003年には観光協会としては日本発となる株式会社化を行い、スピーディな意思決定が可能となった。その結果体験型プログラムの企画から実施、インターネット配信で世界へ観光情報を発信するという活動を迅速かつ活発に行ってきたという特徴のあるエリアである。

ニセコのパウダースキーを世界に知らしめたのは、訪れたオーストラリア人の口コミによる影響が大きい。国土の殆どが砂漠で積雪のある山岳エリアの少ないオーストラリア人にとってスノーリゾートは隣国のニュージーランドに出かけることが主流であった。皆の行先が一か所に集中することもあり決してその費用も安くはない。そこへ世界向けに発信されたニセコの情報がオーストラリアでもキャッチされたのだ。時期的にオーストラリアドル高の円安もあり、京都の寺参りや東京の観光に1~2日訪れた後は国内線でニセコまで飛ぶ。後はゆっくりスノーリゾートを楽しみたいというオーストラリア人でにぎわった時期である。

オーストラリア人からアジア圏の富裕層へ