サウジアラビアで女性の自動車運転解禁が発表されたことから、大幅な経済効果が期待されている。
同国では経済改革の一環として、女性の社会進出を促進する動きが急速に活発化しており、労働市場だけではなく、政治や金融セクターでも女性の活躍が目立ち始めている。
働く女性の割合を22%から30%に引き上げることが目的
世界で唯一、女性の自動車運転を禁じていたサウジは、ムハンマド皇太子兼国防相が主導する経済改革プロジェクト「ビジョン2030」の一環として、2018年6月以降、この法律の廃止を発表した。
イスラム教ワッハーブ派の厳格な戒律に忠実なサウジだが、時代の流れと共に、政治・経済・社会面での改革に迫られている。特に若い世代の意識が、徐々に変化している背景も無視できない。
そこで32歳という若さのムハンマド皇太子が打ちだしたのが、石油依存大国からの脱出を図る国家を挙げての改革プロジェクトだ。
経済成長に女性の労働力が欠かせない要素であることは、既に周知の事実である。ところがサウジにおける働く女性の割合はわずか22%(CNNより )。ムハンマド皇太子は2030年までに30%に引き上げる意気込みだが、これまでの「女性は家庭を守るもの」という概念を破棄しない限り実現は難しい。
女性に自動車運転を許可することで、労働生産力を活性化する狙いだ。