エンジニアリングの最優先が改革成功のカギ?

ほかの大手金融機関同様、HSBCも米国、英国、中国、インド、香港を拠点とするデジタルハブに専門チームを結成 し、FinTechの採用に取り組んでいる。

プラットフォーム・マネジメント部門の国際責任者、マルコ・ペラ氏はIT情報サイト、シリコン の取材で、デジタル改革が顧客の需要に応えての結果であることを強調。エンジニアリングを最優先事項とする社風が、デジタル改革の成功のカギだと見ている。

通常、組織内にはIT部門、ビジネス部門、リスク部門など異なるチームが存在し、それぞれの優先事項は分散されている。ペラ氏はすべてのチームを統合し、優先事項を一つに絞ることで成功に導く環境が作りだされると確信している。

「向上のために物事を簡潔化する」という発想の元、HSBCは2016年、英国のIT部門から840人の従業員を解雇し、ポーランドや中国、インドに基盤を移動させた 。

アジャイルアプリ開発に向け、Amazonのクラウドサービス「AWS」とも提携し 、事業のクラウド化にも熱心だ。

こうした新たな動きはHSBCにとって改革の第一歩にすぎず、今後様々な商品・サービスを開発していくことが期待できるだろう。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

FinTech online編集部

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