為替ヘッジありのマルチストラテジー債券ファンドが人気
個別ファンドへの資金流入を見ると、1位が「野村PIMCO・世界インカム戦略ファンド Aコース(為替ヘッジあり 年2回決算)」と為替ヘッジありのマルチストラテジー型の外国債券ファンドであった【図表2】。このファンド以外にも7位の「新光ピムコ・ストラテジック・インカム・ファンド9月号」も同様のタイプのファンドであった。先進国の金利が低い中、様々な債券を組み合わせることによってリスクをある程度抑えた上で相対的に高い金利が享受できる商品が人気のようだ。加えて、今年に入って為替が1ドル108円から115円の間で行き来しており、株式ファンドと比べて相対的にパフォーマンスに対する為替の影響が大きい債券ファンドでは、為替変動リスクを取らないファンドが投資家に好まれているようだ。
その他では、上位ファンドのうち2本が9月に新設された外国株式ファンドであった。2位の「新シルクロード経済圏ファンド」が日本を除くアジア、中東、東欧ロシアなどの新興国株式に投資するテーマ型ファンドである。その一方で、9位の「世界eコマース関連株式オープン」がテクノロジー系のテーマ型ファンドである。その他も6位にテクノロジー系のテーマ型ファンド、10位にバイオ系のテーマ型ファンドが入っており、テーマ型の外国株式ファンドが引き続き人気であった。
また、5位が「野村インド株投資」、8位が「野村インド債券ファンド(毎月分配型)」とインドへの関心も引き続き高かったようだ。ただし、9月後半にインドの国内情勢に加えて米国の金融政策の動向を受けてインド株は急落し、ドルに対してインド・ルピー安が進んだ(円もドルに足して下落したため、対円ではほぼ横ばいであった)。インドに限った話ではないが、今後も先進国の金融政策の動向次第で新興国の通貨や株式が大きく変動する可能性があるため、注意が必要である。