足元では米株のテーマ型ファンドやアクティブ・ファンドが好調だが
9月にパフォーマンスが良好であったファンドを見ると、原油先物、もしくはシェール関連株式ファンドが高パフォーマンスであった【図表3】。9月は、8月に米南部を襲ったハリケーンの影響や下旬に中東の地政学リスクが上昇したため、世界的に原油価格が上昇した。原油高の恩恵を直接受けたファンドが好調であったといえる。
また、一部の米国株式ファンドも好調であった。上位のうち5ファンド(3位、4位、6位、8位、10位)が米国株式ファンドで収益率は軒並み10%前後だった。NYダウ・ジョーンズやS&P500に連動するインデックス・ファンドは4%台であったことを踏まえると、それらのファンドは米国株式市場全体以上に大きく上昇したことが分かる。
9月は良好なパフォーマンスのファンドが多かった米国株式のテーマ型ファンドやアクティブ・ファンドであったが、中長期のパフォーマンスはどうであったのだろうか。米国株式のインデックス・ファンドと非インデックス・ファンド(テーマ型ファンドやアクティブ・ファンド)の過去1年(2016/10~2017/9)、過去3年(2014/10~2017/9)の(手数料控除後の)パフォーマンスを集計した【図表4】。
過去1年のパフォーマンスの最大値を見ると、非インデックス・ファンドでは53%(9月好調であった「マニュライフ・米国銀行株式ファンド」)でインデックス・ファンドの40%を大きく上回っていた。同様に過去3年の最高値も非インデックス・ファンドが52%であるのに対して、インデックス・ファンドが43%であった。期間によらず、非インデックス・ファンドの中にはインデックス・ファンドを上回る収益を上げていたファンドがあったことが分かる。その一方で中央値や最小値を見ると、過去1年、過去3年共に非インデックス・ファンドはインデックス・ファンドと比べて劣後していた。また、最大値と最小値の差もインデックス・ファンドと比べて、非インデックス・ファンドの方が大きかった。
まさに、テーマ型ファンドやアクティブ・ファンドはインデックス・ファンド以上のパフォーマンスが期待できるものの、当たり外れが大きいといえよう。
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前山裕亮(まえやま ゆうすけ)
ニッセイ基礎研究所 金融研究部
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