40代の「お金とのつきあい方」とは?
40代は、お金とどう向き合うべきなのか──。「お金のバイブル」として知られ、ついに100万部を突破した『ユダヤ人大富豪の教え』の著者である本田健氏はまず「自分の生き方と向き合うこと」を提唱する。お金面でも仕事面でも厳しい時期である40代に贈る「お金の哲学」とは。
40代が選ぶべき「3つの道」とは
そろそろ人生に閉塞感を感じることも増えてくる40代。だが、本田氏は「40代にも明るい未来はある」と言う。
「ある統計によると、40代は人生の中でもっとも幸福を感じづらい年代だそうです。お金の不安に加え、仕事でも家庭でもストレスを抱え『こんなはずではなかった』と思っている人も多いでしょう。
ただ、40代は『物事を成す最後のチャンス』でもあるのです。確かに期限は迫ってきていますが、まだ、新たなチャレンジも可能な時期。だからこそ40代がお金について考えるときは、単なる蓄財テクニックではなく、今後の生き方の問題として捉えてほしいと思います。
大きく分けるとしたら、リスクを取ってお金持ちを目指すか、安全でそこそこの暮らしを得るか──。『攻めか守りか』を選ぶことになるでしょう。
攻めの代表とも言えるのが、『独立起業』です。億単位の収入を得るチャンスが広がりますが、失敗して一文無しになる可能性もあります。
一方、守りに関しては、今の会社で出世を目指すというコースもあります。役員まで上り詰めれば相応の年収も得られるでしょうし、それが叶わなくても、雇用は守られるという意味では大きなダメージはありません。安定志向ならば、この道を選ぶのが常道です。
また、今よりも高いポジションや収入増を見込んで転職する。あるいは、投資を通じて小金を稼ぐなど、現在の収入に+αする方法も考えられます」
どの道を選ぶかにより、お金とのつきあい方が変わってくる。
「独立や転職を考えているなら、スキルや知識の強化など、自分への投資を惜しむべきではありません。迷ったときに指針を示してくれるメンターを見つけ、関係を深めることにもお金をかけましょう。また、投資を考えているのなら、その勉強も欠かせません。
一方、社内での出世を目指すなら、社内人脈の強化や資格取得にお金をかけてみましょう」
だが、実際には「自分はどの道を行きたいのか」明確ではない人も多いはずだ。とくに、リスクのある道を今から選ぶのはなかなか難しい。
「判断の基準は『怖さより、情熱や好奇心が勝っているかどうか』。ワクワクする気持ちが強いようなら、思い切ってその道に進んでいいと思います。
どの道が良く、どの道が悪いというわけではありません。自分の進みたい道を明確にすることが、今後のお金の稼ぎ方・使い方のベースとなるのです」
才能をお金に換えるコツは「掛け合わせ」
一方、どのコースを選ぶにせよ、ぜひ身につけてもらいたい能力があるという。
「それは、今より『稼ぐ力』をつけるということ。そのためにはまず、自分の『才能』を明らかにすることが不可欠です。
才能というと選ばれた人だけに与えられるものと考えられがちですが、それは誤解です。どんな人にも才能は必ずあります。
たとえば今の仕事をすでに5年以上続けているなら、適性は十分。10年続けているなら立派な才能です。15年以上になればもう『専門家』といってよいでしょう。このように、40代ともなれば誰もがいくつかの『才能』を持っています。問題はそれをどうお金に換えていくかです。
コツは『もう一つの才能』と掛け合わせることです。
たとえば私は文章の才能が少しあると自負していましたが、文章がうまい人なら他にもいます。一方、私は子供の頃から人前で話すのが得意だったので、『書く才能』と『人前で話す才能』を掛け合わせました。書籍を発刊するとともに、講演やセミナーを開き多くの方にファンになってもらい、また本を出す……。結果、多くの書籍がベストセラーとなり、世界中で講演活動をし、多くの人が集まってくれています。
さて、あなたの才能はどこにあるでしょうか。『人をつなげる力×アイデア力』なら大きなサロンや異業種交流会を主宰できます。『癒す力×リーダーシップ』があれば、コーチの才能があるかもしれません」
才能でお金を稼ぐというと大変なことに思えるが、現代はその「仕組み」が整いつつあり、ハードルは下がっているようだ。
「電子決済の仕組みが発達したことで、ネット上で気軽に金銭のやり取りができるようになりました。それにより、投げ銭感覚で、面白い活動をしている人を応援しやすくなっています。つまり、それだけ個人の才能をお金に換えるチャンスが増えているのです。
自分の仕事を応援してくれるファンができれば、継続して収入を得ることができます。収入を得るカギは、自分を応援してくれるファン作りにあります」
「幸せなお金」の使い方・稼ぎ方とは?
もう一つ、40代になったらぜひ心がけてほしいお金の使い方があるという。それは、「人の役に立つ使い方・稼ぎ方」を意識することだ。
「人に喜ばれるために使うお金、人に喜ばれることで得るお金を、私は『幸せなお金』と呼んでいます。この『幸せなお金』の流れを作ることを意識してみましょう。
たとえば私の先日の講演会でのことです。全国のみならず、世界中からいらした1,200人の参加者に、一輪ずつバラをプレゼントしました。それだけを見ると、相当なコストです。でも、皆さんに喜んでもらいたいと思い、プレゼントしました。
ちょっとしたサプライズに対して皆さん喜んでくれました。それがクチコミとなって、ファンも増えました。そうやって幸せにプレゼントしたお金の流れは人に与えた価値の大きさに比例して規模が拡大するのです。
今後の私の目標は、国を越えてハッピーマネーの輪を広げること。本の印税で世界中の若者を日本に招待して文化に触れてもらうプロジェクトをやりたいと考えています。
あなたが使おうとしているお金は、誰かを喜ばせることができるのか。あなたがどんなルートを進むにせよ、それを今一度考えてみましょう」
「そんな壮大な夢など、自分には描けない」と感じる人もいると思うが、本田氏は「焦らなくていい」と言う。
「お金というものは、努力に応じた額が年々積みあがるものではありません。試行錯誤の時期は鳴かず飛ばずで、あるときピントが合うと堰を切ったように入ってくるもの。私の周囲の成功者たちも皆そうでした。
最初に述べたとおり、40代は『最後のチャンス』。まだまだ逆転できる時期です。ぜひ、諦めずに幸せなお金の流れを実現してほしいと思います」
本田 健(ほんだ・けん)作家
神戸生まれ。経営コンサルタント、投資家を経て、29歳で育児セミリタイヤ生活に入る。4年の育児生活中に作家になるビジョンを得て、執筆活動をスタート。「お金と幸せ」をテーマにした1000人規模の講演会やセミナーを全国で開催。インターネットラジオ「本田健の人生相談」は2,700万ダウンロードを記録。代表作に『ユダヤ人大富豪の教え』(大和書房刊)など、これまでに著書は110冊以上、累計発行部数は700万部を突破。(取材・構成:林加愛 写真撮影:まるやゆういち)(『
The 21 online
』2017年9月号より)
【関連記事 The 21 onlineより】
・
100年生きる時代に必要な「人生の基本公式」
・
メンタリスト DaiGoが教える!「好きなこと」をマネタイズするには?
・
超リッチになる♪ユダヤ人 8つの金言
・
今の日本で「イノベーション」は生まれるか?
・
なぜ、不動産投資は「サラリーマン向けの投資」なのか?