AI(人口知能)やロボットを活用した「無人販売」が小売産業業界の新たな常識として定着しつつある近年、2022年までに世界中で自動支払い機の台数が40万台(2017年比53%増)に達する見込みだ。
この傾向は高級品市場にも広がりを見せ、高級キャビアやゴールド(金)・コイン、ポルシェやフェラーリが買える自販機も登場している。
5割の消費者が「セルフレジがいい」
キャッシュレス化が加速する中、セルフチェックアウト(セルフレジ)や自販機を利用する消費者が増えている。スマホやウェアラブルデバイスの普及が決済を簡潔化し、無人(あるいは半無人)販売の需要を押し上げたことは疑う余地がない。
オーストラリアの市場調査会社キャンスタ—・ブルー・サーベイが消費者3000人を対象に実施した調査では 、66%が「セルフレジは簡単」、47%が「セルフレジチェックアウトのほうがいい」と答えた。
元祖自販機といえば切符の販売機が思い浮かぶが、2017〜2021年にかけての予想成長率は4.06%。TNSグローバル の2016年の調査からは、米国の成人1050人のうち52%は「手数料がかからなければ、自販機もキャッシュレスがいい」と考えていることも明らかになっている。
その一方でアジア地域ではATMの需要も成長を続けており、今後5年で200万台に達すると予想されている(PAYMENT.COM調査 )。しかしATMも無人であることには変わりなく、現金利用を好む消費者間でも銀行の支店離れが加速していることは確かだ。