BOBOS(ボボズ)とはブルジョワとボヘミアンを組み合わせた造語であり、アメリカを中心に新たな上流階級として注目されています。リッチでありながら自然体、そんなBOBOS流の生き方を見ていきましょう。
WASPによる支配からBOBOSへ
BOBOSにはいくつか特徴があります。それが「夫婦ともに高学歴」「都市部に住み、経済的に恵まれている」ものの、「消費やライフスタイルはロハスな空気感を好む」などです。
アメリカは「自由の国」といわれ、どんな人でも一攫千金を狙える「アメリカンドリーム」が信じられてきました。一方で、そんなアメリカの政治、経済を支配するエリート層は長らく、WASP(ワスプ:ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)がマジョリティを占め、保守的、階級重視なムードを堅持してきました。
WASPは、アメリカ建国の頃にわたってきた白人たちをルーツとする人々で、プロテスタントが多いことからそう呼ばれます。しかし、黒人にルーツをもつオバマ前大統領の就任に見られるように、WASP支配によるそうした空気感も代わりつつあります。BOBOSはその中で生まれてきたニューエイジだといえるでしょう。
BOBOSの好むライフスタイル
BOBOSは、WASPのリッチ層にありがちな成金趣味はありません。60年代のヒッピーは「反権力」や「清貧」をよしとしていましたが、BOBOSは最先端のハイテク技術に囲まれつつも、自然で素朴なものに対して価値を見出すのが特徴です。
経済的に自立していながら、高級ブランドよりユニクロなどの安く、高品質な服を好んで身につけ、無意味に着飾るようなことはしない。また、格式の高い銀座の料亭よりも、友人とわいわいくつろげる近所のビストロを好む、といったライフスタイルが特徴です。
例えば、アップルの共同創業者スティーブ・ジョブズは生前、いつも黒のタートルネックにジーンズ、足下はスニーカーというスタイルを貫いていました。ジョブスほどの成功者であれば、どんなブランドの服で着飾ることもできたはずです。また、ジョブスは「禅(ZEN)」を愛していたことでも知られます。ミニマリズムを信奉する彼は、ワードローブを最小限にすることで、日々の限られた時間をもっと重要なことを決断するために充てていたのです。
BOBOSは「知識=マネー」と知っている
BOBOSは、知的活動に価値を見いだすことも大きな特徴です。WASPの反知性主義に対し、BOBOSは学びやウンチクが大好き。知的コミュニティの中での評価に高い価値を見出します。
この趣向の違いは、近代の情報化革命の中で、「情報=マネー」として強い結び付きがうまれていることに起因しています。こうした社会では、知識のある者(=高学歴者)と知識のない者(=低学歴者)の所得格差が大きく開く一方で、家柄や国籍にかかわらず、高学歴で情報化社会の波に乗れた人にはとんでもない高収入がもたらされるようになりました。
BOBOSは知性や情報、知識がオカネになることを知っているので、社会的な成功を収めた後も常に学びを欠かしません。 また、BOBOSは多少値段が高くても、エシカル(倫理的)で社会的な責任を果たすブランドの商品に対する出費は惜しみません。また、オーガニックな野菜やコーヒーといった、健康に良い食生活への関心も高い層です。
日本もBOBOS的ライフスタイルが席巻
グローバルな知識社会では、一人でも人生を謳歌できる「ソロ充」やBOBOSに代表されるニューリッチが台頭し、自由と自己実現を最優先する個人主義でリベラルなライフスタイルが注目されています。
日本の都市部でも昨今、「マラソンやヨガといった手軽に楽しめてお金のかからないスポーツが人気」「北欧の家具やデザイン、ライフスタイルへの注目」「家庭菜園やオーガニック野菜の人気」など、BOBOS的なライフスタイルへの関心は高まっています。
BOBOSの域に達するには「富」の部分でアメリカの富裕層よりもスケールが小さいのは否めませんが、BOBOS的な空気感が好まれているのは間違いないようです。
(提供:THE LIFES)
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