前週末の海外市場動向

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

前週末の海外市場では、米国の経済指標がまちまちの結果(個人所得が強く、個人支出が弱い、耐久財受注、シガン大学消費者信頼感指数が弱く、新築住宅販売件数が強い)となり、上下に動きづらい展開になりました。海外市場が休場となる本日のクリスマスが意識されたこともあり、全体的に小動きに終始しました。

FF金利先物市場の次回利上げの織り込みは、3月予定で57%になっています。

今日の予定

本日は、海外市場がクリスマス休暇となりマーケットがクローズとなります。

今後の見通し

21日はスペイン・カタルーニャ州議会選挙で独立派が過半数を占め、22日はユーロが急落する場面がありましたが、ユーロは下値が底堅く徐々に買い戻し基調が強まってきています。カタルーニャ情勢を手がかりとするユーロ売りは一服しており、ユーロドルでは1.18ドルが心理的なサポートになっています。

カタルーニャ情勢に関しては、独立派3党の政権樹立に向けた交渉は、年明け後の1月6日付近とみられています。しかし、今回当選したプチデモン氏ら7人に対しては、10月1日の違法な住民投票の実施と分離独立運動への関与で、既に国外に亡命しています。

帰国をすれば即逮捕の可能性が高く、現時点で独立派の実質的な議席数は63にとどまり、過半数を占めているとはいえません。また、一方的な独立宣言を封印して自治権拡大の途を模索する道もありますが、その場合は独立強硬派の人民連合(CUP)との3党協調はほぼ無力となります。

一見売り材料ばかりが目につきますが、あくまでこれは年明けのシナリオとなり、年内は上記に述べたようにユーロ売りが限定的であったことや年末のポジション調整を含め、目先はユーロの買い戻しが強まるのではないかと考えられます。

今日は様子見

本日は海外市場が休場になるため、ポジションなしで様子見とします。ただ、ユーロドルは1.18ドルをバックにした押し目買いに妙味ありと見ています。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。