2018年1月11日11時過ぎに神田卓也さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

昨日10日(水)、米ドル/円は111円台前半まで大幅に下落した。この流れの発端は、まず、おととい9日(火)、日銀が長期国債の買い入れ額を減らしたことだ。これにより、日銀のテーパリングの思惑から円買いの流れを作った。そして、さらに昨日10日(水)、中国が米国債投資に消極姿勢を示したことで急速にドル売りが進み、111.27円付近の安値まで下落した。

この2つの要因で円高が進んだものの、冷静に考えると、まず日銀に関しては、日本のインフレ率が、目安とされている2%の半分にも満たない状況下で円高政策を敢えて取るのかという疑問が出てくる。そのため、市場が過剰反応した可能性もある。

また、中国に関しては、米中の貿易摩擦における政治的な牽制狙いの発言ではないかという見方もできる。というのは、昨日10日(水)の中国の報道のあとに米10年債の入札があったものの、需要は旺盛で、市場が中国の様子を強く警戒しているわけでもない様子だったからだ。

このことから、ニュースとしてはインパクトはあったため、反応は大きかったものの、この円高は、さほど長引かないかもしれない。

現在の為替相場の戦略やスタンス

テクニカル的にみても、米ドル/円の日足チャートで昨日10日(水)に200日移動平均線を下抜けしている。中国の報道のインパクトで大きく下落した米ドル/円だが、市場がオーバーに捉えた感も強いため、昨日10日(水)の安値である111.27円付近でしっかりサポートされれば、今日中にも200日移動平均線を上回る可能性もあるだろう。

神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券(株)(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社)を経て、1991年(株)メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月(株)外為どっとコム総合研究所入社。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。