今週の日本株相場はまず、米連邦予算が失効して政府機関の一部が閉鎖したことを受けての始まり方が注目される。予算の期限を迎えた19日、米上院は2月16日までの1カ月のつなぎ予算を可決しようと試みたが、与野党の協議がまとまらず採決できなかった。日本時間21日の昼、本稿執筆現在で与野党歩み寄りの兆しはみられず、米国時間の22日朝までに採決をめざすということは日本時間の月曜日中に事態の打開はないだろう。相場の重石となりそうだが、様子見ムードが強まる程度で深い押し目はないものと思われる。

22-23日に日銀金融政策決定会合が開催される。政策変更は予想されていないものの、会合後の黒田総裁の記者会見が注目される。9日に日銀が国債買い入れオペにおいて超長期債の購入額を減額した件について、質問が出るのは必至。黒田総裁がどう答えるかが焦点だが、金融緩和縮小を言下に否定すると思われ、そうなれば円高圧力が和らぐだろう。

続いて25日にはECB金融政策理事会がある。12月のECB議事録で早期にフォワードガイダンスの文言を修正する用意があることが公表されたことでユーロ高が進んだ。すでにユーロ高をけん制する高官発言もみられるが会合後のドラギ総裁の記者会見での発言もユーロ高をけん制するようなトーンをにじませるだろう。黒田総裁とドラギ総裁の発言次第で、円高・ユーロ高是正、ドルの反転上昇の可能性はじゅうぶんにあるだろう。

債券市場からもドルのサポート材料がある。先週末のニューヨーク債券市場で長期債相場は3日続落。10年国債利回りは、4bps上昇し2.66%と2014年7月以来ほぼ3年半ぶりの高さだった。この節目を抜けた長期金利上昇だけでも、もっとドルは買われてよいと思われる。

今週火曜日の安川電を皮切りに決算発表が始まる。安川電にせよ25日のオービック、26日の信越化、ファナック、エムスリーなど好業績企業の決算発表が序盤で出てくる。決算発表シーズンのスタートに弾みがつくことを期待したい。

日経平均の予想レンジは2万3400円~2万4000円とする。

広木隆(ひろき・たかし)
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト

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