雇用情勢の改善や好調な経済指標とは裏腹に、株式市場は乱高下を繰り返しながら値動きの荒い展開が続く。また、新たな投資先としても注目を集めていたビットコインを中心とした仮想通貨も昨年からの上昇基調から一転、調整局面に入ったかのような様相を呈する。こうして投資マインドに先行きの不透明感が漂う中、アンティークコインへの投資が注目されつつある。

アンティークコインとは?

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(画像=PIXTA)

アンティークコインと耳にすれば、あまり馴染みがなくてもそのイメージを抱くことはできるかもしれない。実際には、100年以上前に発行された金貨や銀貨などを指すのが一般的で、一部のコインは熱狂的なコレクターに加え、富裕層からの支持も集めて、価格が高騰している。

こうしたコインは、国王の即位や国家行事などを記念して発行されることが多く、発行枚数が限定され、同じモデルのコインが鋳造されるケースは稀である。そうしたことから、時の経過とともに、希少価値が高まり、投資対象として魅力を増していくのだ。

例えば、イギリスで発行されたヴィクトリア女王「ウナとライオン」の5ポンドプルーフ金貨は1839年に発行されたが、今なおその金色の美しい輝きを放つ。アンティークコインの投資家なら、誰もが知る一品で、発行枚数は400枚ともいわれ、入手が極めて困難なことから、その価値が一層高まっている。

ポイント1:収益性の高さ

まずアンティークコインのメリットとして挙げられるのは、その収益性だ。イギリスの主要なアンティークコイン200銘柄の指数である「英国200レアコインインデックス」は、直近の20年ほどで6倍ほどに拡大。世界の金融市場を揺るがしたリーマンショック時でさえ、右肩上がりで値上がりを見せた。有事の金といわれるように、経済危機にもアンティークコインは値崩れしにくいことを証明した。

ポイント2:管理が手軽

投資対象となる実物資産には、不動産、絵画、ワイン、クラシックカーなどが挙げれる。どれも管理やメンテンスにコストがかかるものばかりだ。その点、手のひらに収まるアンティークコインは、保管場所に困ることもなく、定期的な清掃やメンテナンスも必要ない。実物資産としては、管理が手軽であることは大きなメリットだ。

ポイント3:リスクは何か

投資にあたっては、デメリットやリスクも把握しておかなければならない。先述のインデックスで長期の値上がりを示したが、アンティークと呼ばれるには時間の経過が必要で、短期的に値動きが発生する株式とは違い、ある程度の投資スパンが求められる。また、換金が必要になった際には、株式のように取引時間中に値がついて手放せるような利便性はなく、アンティークコインの価値を共有する投資家や業者を見つけて売買しなければならない。偽物が出回っていることも注意が必要だ。

どこで買える?

メリット・デメリットを把握した上で、いざアンティークコイン投資に乗り出すと決心したら、購入先が気になるところ。インターネット上で、アンティークコインを専門に扱う業者を検索し、資料請求をして取引を開始することができる。注意しなければならないのが、よほどのマニアではない限り、コインが本物かどうか見分けるのは困難なため、信頼でできる業者を通して取引することが賢明だ。

投資心理に冷や水を浴びせるかのような株式相場の乱高下、仮想通貨の下落が続く局面では、歴史を脈々と受け継いできたアンティークコインが、実物資産として投資家の心をくすぐるだろう。(ZUU online 編集部)