2018年5月17日11時過ぎに神田卓也さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

米ドル/円は約3カ月半ぶりの高値圏で高止まりしている。米国の10年債利回りは本日17日(木)も時間外の取引で3.1%を超えて上昇しているが、本日17日(木)の米ドル/円に関しては、米長期金利の上昇には、なびかないようだ。

おととい15日(火)に米ドル/円は110.45円付近の高値をつけたが、これを超えてくると111円に向けて上昇の流れが加速するという見方もあるようだが、110円台後半には本邦輸出企業のドル売りオーダーが控えており、ドルの上値を抑えているようだ。

現在の為替相場の戦略やスタンス

直近では、北朝鮮問題や米中通商問題、イタリアの政局不安といった、リスク不安の目も広がり始めている。

昨日16日(水)は、連立協議を行っているイタリアの「五つ星運動」と「同盟」がECBに対して2500億ユーロの債務減免を求めたようだが、これを政策に盛り込むのではないかとの報道があった。

「同盟」の報道官はこれを否定しているため、真偽の程は定かではないが、本来、大衆迎合主義政党の「五つ星運動」と極右政党である「同盟」による連立政権のため、このまま協議が上手く行き、実際に政権発足となれば、ユーロにとってリスクになるということが再認識された形だ。

ユーロが下がればドルは上がりやすい要因にはなるが、イタリアの政局不安によるドル高ということであれば、リスク回避の要素が多分に含まれるため、米ドル/円の上昇にはつながらないだろう。そんなリスク不安の状況下のため、上値追いの展開も期待しづらい。

しかし一方で、米長期金利も高止まりしていることから下攻めも難しい。現在、米ドル/円の200日移動平均線の示すレベルが110.17円付近だが、この付近から、次の相場の風がどちら方向に吹くのかを見極めたいところだ。

神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券(株)(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社)を経て、1991年(株)メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月(株)外為どっとコム総合研究所入社。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。