5月14~18日の東京株式市場は堅調な展開となった。為替市場では米国の長期金利上昇を背景に「日米金利差がさらに拡大するのではないか?」との観測から円安が進み、この影響で日本株も強気ペースの展開となった。18日の日経平均株価の終値は前週末比171円88銭高の2万2930円36銭。週間ベースでは8週連続で上昇している。

東証マザーズ「週間出来高」ランキング

クラウドワークス,株価
(画像=PIXTA)

今回は東証マザーズ市場の「週間出来高」ランキングを紹介しよう。

(1)クラウドワークス <3900> 2228万4000株
(2)AppBank <6177> 1262万3500株
(3)ジーエヌアイグループ <2160> 1235万0000株
(4)メタップス <6172> 1079万7600株
(5)FRONTEO <2158> 927万8500株
(6)中村超硬 <6166> 906万0700株
(7)CYBERDYNE <7779> 840万5000株
(8)メディネット <2370> 663万0500株
(9)ユナイテッド <2497> 631万2100株
(10)ソレイジア・ファーマ <4597> 623万7500株
※銘柄、証券コード、出来高の順。5月14~18日。

この週の東証マザーズ指数は上昇した。日経平均株価など全体相場の強調地合いを受けて、東証マザーズも強気ペースの展開となった。ランキングを業種別でみると、サービス業が5銘柄と半数を占めている。次いで医薬品が2銘柄、情報・通信業、機械、精密機器が各1銘柄だった。

クラウドワークス、株価は約3カ月で2.5倍に

今回は上記ランキングから、クラウドワークス、AppBank、メタップスを取りあげる。

クラウドワークスは、クラウドソーシングサイトを運営する企業。インターネット上で、仕事を依頼する企業等と副業者や在宅ワーカーのマッチング、業務の遂行、報酬の支払いまでを一括で行うサービスを提供している。副業、在宅ワーカーが拡大する中、同社は「働き方革命」をビジョンに掲げている。

5月14日、クラウドワークスは三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG) <8306> 傘下の三菱UFJ銀行とジャパン・デジタル・デザイン、さらに大和証券グループ本社 <8601> との資本業務提携を発表した。三菱UFJ銀行と大和証券グループ本社はクラウドワークスに出資し、大株主となる。

事業面では、クラウドワークスとジャパン・デジタル・デザインが共同出資で新会社を設立。クラウドワークスで仕事を受注するクラウドワーカーの報酬管理や商品決済に利用するスマートフォン用アプリを提供する。

クラウドワーカーが受け取った報酬を、各人の銀行口座に出金する手前でプールし、クレジットカードのように商品決済に直接使えるようにすることにより、少額決済の分野で付加価値のある新たなサービスを作りだす方針。クラウドワークスの吉田浩一郎社長は「新しい金融インフラを作っていく」と語り、クラウドワーカー向けの福利厚生サービスなどにも取り組む考えを示している。

大和証券グループ本社との事業協力については「クラウドワーカー向けの資産運用・資産形成商品や、ワーカーの仕事の実績を個人の信用力として活かした新たな資金調達手段の研究・開発などの連携を目指す」(プレスリリース)としている。

上記の資本業務提携を受けて、クラウドワークスの株価は5月17日に年初来高値となる2040円を記録、2月6日の820円(年初来安値)から約3カ月で2.5倍に上昇した。週間出来高も2228万4000株に達し、今回のランキングでTOPとなった。

AppBank、ポーカーゲーム配信を手掛かりに上昇

AppBankはスマートフォンやアプリレビュー、周辺アクセサリーの紹介、ゲーム等に関する情報サイトを運営する企業。

5月10日、AppBank株は取引時間中に年初来高値となる985円まで上昇した。同社の子会社ポーカーポーカーがスマートフォン向けのポーカーゲームアプリ『POKER×POKER』を6月から配信すると発表したことが買い手掛かりとなったようだ。このゲームは世界中のプレイヤーとポーカーの対戦が可能で、プレイ終了後に相手の手札を見ることができる「検証モード」を搭載、ポーカーの上達にも役立つという。

その後、AppBank株は利益確定の売りに押されている。週間出来高は1262万3500株に膨らみ、今回のランキングで2位となった。

メタップス、メガバンク採用報道で人気集めるが…

メタップスは東京都港区に本社を置くIT企業。広告や販売促進などのマーケティングに加え、決済や投資等のファイナンス、電子商取引等のコンシューマーの3分野で事業を展開。「データとAI(人工知能)を軸とした経済圏の構築」を標榜している。

5月16日、メタップスのスマートフォン決済システムをMUFG、三井住友フィナンシャルグループ <8316> 、みずほフィナンシャルグループ <8411> が活用すると一部で報じられた。メガバンク3行は決済用QRコードの規格統一で合意していることから、株式市場ではこの統一規格にメタップスのシステムが活用されるとの憶測が広がり人気化した。

ただ、翌17日にメタップスは今回の報道について「昨日、一部メディアより、当社及び大手銀行複数社との提携に関する報道がございましたが、当社から公表したものではございません。また、現時点で業務提携に関する具体的に決定した事実はございません」と発表している。(ZUU online 編集部)