(本記事は、山下勁氏の著書『見習いカメラマンのけいくんが年収1億円を稼ぐ 月3分投資』SBクリエイティブ、2018年6月26日刊の中から一部を抜粋・編集しています)
【『けいくんが年収1億円を稼ぐ 月3分投資』シリーズ】
(1)自分は働かずして「資産が働く」ために大事な考え方とは
(2)投資で「圧倒的にミスが減る」ただ1つの行動とは?
投資で成果を上げるには、余計なことはしない!
日中、相場に張り付いて、自分の時間を費やしたりしなくても......いえ、むしろ、相場に張り付かないほうが、株式投資はうまくいきます。
実際、相場で勝っている投資家ほど、頻繁に売買していません。
なぜ、頻繁に売買しなくても利益を上げられるのか?
それは、余計なことをしていないからです。
つまり、どこで売買のエントリーをするか?これから株価の上昇が始まるのか下落が始まるのか?トレンド予測の精度を高め、「ここぞ!」というポイントで売買しているのです。
「売り」か「買い」か、確かな根拠がなければ、大事なお金を投資しません。根拠のないポイントでは何もしない、ただ、売買のタイミングを待っているだけです。
株式トレードには「売り」「買い」のほかに「何もしない」という判断がとても重要なのです。このことを覚えてください。
では、どのようにエントリーするポイントを見極めるのでしょうか。
●複数の条件が揃うまでは「待て」の姿勢でいい
まず、銘柄選びですが、ボクは決算やファンダメンタルズ(企業の業績分析など)は参考にしません。決算がよくても下がる株はありますし、悪くても上がる株はあります。
よく、銘柄選びの指標としてあげられる「PER(株価収益率)」にしても、低PERでもいっこうに上昇しない株もあれば、高PERで割高とされる株が上昇トレンドを続けることもあります。
決算書の読み方やファンダメンタルズは知識として知っておく分にはかまわないのですが、それを根拠に銘柄を選んで投資してもなかなか勝てません。
勝てる銘柄を選ぶモノサシとなるのはチャートです。
ボクはチャートで売買のサインを見極め、投資しています。そして時価総額3000億円以上、東証一部上場のいわゆる大型株に絞っています。
では、チャートの何を見るのか?
前の高値・安値、節目、移動平均線、横ばい、新値更新など8つのチャートパターンから売買を判断します。
チャートを使った投資をする場合、大事なことは、条件が1つだけでは投資しないということです。
たとえば、前の高値を抜いただけで上昇トレンドと判断して「買い」、安値を割っただけで下落トレンドと判断して「売り」などと、判断材料が1つしかないときには売買はしないのです。
移動平均線の位置、向き、陽線か、陰線か、高値に並んだのか、抜いたのか、安値を割ったのか......複数の条件が揃わなければ投資しません。
では条件が揃わないときにはどうするのか─揃うまで「待つ」のです。
投資で「待つ」ができると、圧倒的にミスが少なくなる!
投資で「待つ」というスタンスは簡単なようで、実にできない人が多いのです。
たとえば、急騰した銘柄を見て、これに乗り遅れてはいけないと買ってしまう人。
反対に、下落トレンドだと思ってあわてて売ってしまう人。
しかし、思惑と反対に株価が動いて結局は損切り......確たる根拠がないのに余計な売買を繰り返して、気がつけば資産が減っていたというケースは珍しくありません。
これが先ほどお話しした「余計なこと」です。
売買をする前には冷静になって、立ち止まって考えてみてください。
「ここは、本当に売買するポイントなのか?」
「売買する根拠は何か?」
「根拠となる条件はいくつあるか?」
それを自問して、考察するのです。条件が複数揃う銘柄は、そうそうあるものではありません。
その結果、運用回数は当然少なくなります。
しかし、運用回数は少なくても、十分な根拠と考察のうえで投資していますから、ミスは圧倒的に少なくなるはずです。また、上昇トレンドあるいは下落トレンドの初動でエントリーできますから、かなりの利益が得られるのです。
何もしないで「待つ」。
この姿勢がいかに大切か、理解していただけたのではないでしょうか。
●「待つ」間に利益を上げるトレーニングを
株で稼いでいるというと「遊んで暮らしている」と、一般には思われているようです。しかし、遊んでいては稼ぐことはできません(笑)。
確かに、会社員のように毎日定時に出勤して働くことはしないし、残業もノルマもなく、時間に縛られることもありません。
その代わり、ボクは「待つ」ことをしている間に毎日、勉強しています。
勉強とはチャートをチェックし、株価の動きを予測するトレーニングです。「日経225銘柄」すべてのチャートを毎日、欠かさずチェックしています。
ボクは20歳のときにiPhone関連株を購入し、ビギナーズラックで50万円が600万円になるという幸運を手にしました。
そこから、投資で収入を得ようと決心したものの、次にトレードを始めるまでに約2年間を要しました。毎日、チャートを見て値動きを考察し、トレードのシミュレーションをしていたのです。
そして、株価の動きがある程度予測できるようになってから、ようやく現金を投入するようになったのです。
山下勁(やましたけい)
大学在学中の20歳のときに、株式投資を始める。初めての株式投資で、原資の50万円を600万円に増やすビギナーズラックを経験。23歳で1200万円の原資を3200万円に増やし、25歳のときには、独自のテクニカル投資を完成させる。2017年の株式投資による利益は1億円をゆうに超える。現在は「副業アカデミー」で株式投資の講師を務めるかたわら、ムービーカメラマンのアシスタントとして活動する。