8月20~24日の東京株式市場は堅調な展開となった。この週は模様眺めムードで始まったが、週後半にかけて円安が進んだことで株式市場でも買いが先行した。24日の日経平均株価は前週末比331円39銭高の2万2601円77銭で取引を終了、週ベースでは4週ぶりの上昇となった。
25日移動平均からの「高かい離率」ランキング
それでは、今回はジャスダック市場の「25日移動平均からの高かい離率」ランキングを見ていこう。
(1)エムティジェネックス <9820> 21390円 +111.01%
(2)日本テレホン <9425> 934円 +90.08%
(3)ブロードバンドタワー <3776> 300円 +51.42%
(4)ホロン <7748> 1527円 +50.66%
(5)SEMITEC <6626> 7210円 +36.33%
(6)ハリマビステム <9780> 4280円 +34.11%
(7)やまねメディカル <2144> 677円 +33.04%
(8)共同ピーアール <2436> 2351円 +31.39%
(9)JALCOホールディングス <6625> 242円 +27.91%
(10)シンクレイヤ <1724> 770円 +24.01%
※銘柄、証券コード、24日終値、25日移動平均からのかい離率の順。
この週の新興株式市場は底堅い展開。日経ジャスダック平均株価、マザーズ指数ともに前週末の水準を上回った。上記ランキングを業種別でみるとサービス業が3銘柄と最も多く、次いで不動産業、情報・通信業が各2銘柄と続き、精密機器、電気機器、建設業が各1銘柄となっている。
エムティジェネックス、好決算をきっかけに急騰
今回は上記ランキングからエムティジェネックス、日本テレホン、ホロンの3銘柄を取りあげる。
エムティジェネックスは、森トラストの上場子会社。森トラストが保有する不動産に付属する駐車場の管理のほか、オフィスビルや住宅のリニューアル等を手掛ける。
8月10日の大引け後にエムティジェネックスが公表した4~6月期の連結決算は増収増益となった。駐車場、リニューアルの両事業ともに好調で、営業利益や純利益も伸びた。9月中間や通期の業績予想については従来見通しを据え置いたが、市場では将来の業績上振れへの期待が高まったようだ。エムティジェネックスの「25日移動平均からのかい離率」は+111.01%に達し、今回のランキングでTOPとなった。
ちなみに、エムティジェネックスの4~6月期の営業利益は6800万円、純利益は4800万円でEPS(1株当たり利益)は44円63銭となっている。また、通期EPS予想(148円56銭)をベースに24日終値(2万1390円)で計算したPER(株価収益率)は143.98倍、PBR(株価純資産倍率)は8.66倍で、現在の株価からするとさすがに買われすぎ印象も否めない。投資人気が過熱ぎみにある点には注意が必要だろう。
日本テレホン、通信会社の「選択自由化」報道を好感
日本テレホンはインターネット上の中古スマートフォン販売サイト「エコたん」及び実店舗での携帯電話販売店を運営する企業。大阪市北区に本社を置く。
8月15日、一部メディアで「中古スマホ、通信会社の選択自由に」と題する記事が報じられたことが、日本テレホン株の買い手掛かりとなった。報道によると、総務省が2019年7月から携帯電話大手3社に対し、自社が販売したスマートフォンを他社の通信網で使えるようにする「SIMロック解除」を中古品にも義務づけるという。新品に比べ流通量の少ない中古スマホの市場拡大を促す取り組みで、中古ショップを手掛ける日本テレホンの業績拡大につながるとの期待が広がった。
上記報道を受け、日本テレホン株は一時ストップ高を記録する場面も見られた。「25日移動平均からのかい離率」も+90.08%に達し、今回のランキングで2位となった。
ホロン、4~6月決算が黒字転換
ホロンは埼玉県所沢市に本社を置く精密機器メーカー。電子ビームを利用し、半導体用マスクやウエハーが設計通りに正しく作られているかを検査する装置等を手掛ける。計測機器メーカーのエー・アンド・デイ <7745> が実施したTOBにより、6月に同社の連結子会社となった。
8月10日、ホロンが公表した4~6月期決算は、前年同期の赤字から黒字に転換する内容となった。営業損益は3億6900万円の黒字(前年同期は8900万円の赤字)で、通期予想(3億8200万円の黒字)をほぼ達成する内容となった。これを受けてホロン株は10日終値の798円から、21日には2047円まで急上昇した。その後は利益確定の売りに押されたが、それでも「25日移動平均からのかい離率」は+50.66%に達し、今回のランキングで4位となった。(ZUU online 編集部)