9月10~14日の東京株式市場は堅調に推移した。14日の日経平均株価の終値は前週末比787円61銭高の2万3094円67銭で、終値としては2月2日以来の高水準となった。米中貿易摩擦の緩和期待に加え、トルコ中央銀行の利上げで新興国通貨に対する不安も後退しており、日本株にも底入れ期待が広がっているようだ。

東証マザーズ「週間出来高ランキング」

フィンテックグローバル,株価
(画像=PIXTA)

それでは、今回は東証マザーズ市場の「週間出来高ランキング」を取り上げたい。

(1)フィンテックグローバル <8789> 182円 +4.00% 3億1671万3500株
(2)モブキャストホールディングス <3664> 631円 -12.85% 4127万8800株
(3)エヌ・ピー・シー <6255> 337円 -11.55% 990万6800株
(4)ソレイジア・ファーマ <4597> 214円 -9.70% 866万7800株
(5)アンジェス <4563> 455円 -8.82% 725万3500株
(6)そーせいグループ <4565> 1802円 +6.00% 638万8700株
(7)CYBERDYNE <7779> 794円 -2.58% 595万8100株
(8)データセクション <3905> 1134円 +9.67% 527万4400株
(9)アドウェイズ <2489> 838円 +9.69% 446万2200株
(10)メディアシーク <4824> 855円 +6.08% 444万2000株

※銘柄、証券コード、終値、騰落率、出来高の順。データはヤフーファイナンスより。

この週の新興株式市場は東証マザーズ、ジャスダックともに強含みとなった。両市場とも出来高が活況を呈するなど投資人気も回復しつつあるようだ。ちなみに出来高は人気のバロメーターとしても注目されるが、上記ランキングを業種別にみると医薬品と情報・通信業が各3銘柄と最も多く、次いで精密機器、機械、サービス業、その他金融業が各1銘柄となっている。

フィンテックグローバル、メッツァ事業の進展に期待

今回は上記ランキングからフィンテックグローバル、モブキャストホールディングス(HD)、メディアシークの3銘柄をみていこう。

フィンテックグローバルは、投資銀行事業を柱とする金融会社。現在の主なプロジェクトは、北欧のライフスタイルを体感できることをコンセプトに開発中のメッツァ事業だ。埼玉県飯能市に「メッツァビレッジ」と「ムーミンバレーパーク」を整備している。メッツァビレッジは今年11月に開業し、ムーミンバレーパークは2019年春にグランドオープンする。

フィンテックグローバル株はメッツァ事業への期待感が広がり、9月第1週(3~7日)に上昇を開始した。10日には第2弾としてカヌー工房や肉、野菜の販売店、コーヒーショップ、ラーメン店等のテナントを発表、個人投資家を中心に買いを呼び込んだ。 もともと株価が100円台で推移してきた低位株であるが、市場ではムーミンバレーパーク等が創造する新しい「夢の国」への期待が高まっているようだ。

フィンテックグローバルの週間出来高は3億1671万3500株に達し、今回のランキングでTOPとなった。

モブキャストHD、中国での新作ゲームテスト実施で動意づく

モブキャストHDは、ソーシャルゲームサービスを展開するインターネット企業。東京都港区に本社を置く。

今月11日、モブキャストHDは連結子会社のモブキャストゲームスが12日から中国で新作サッカーゲームのオープンベータテストを実施すると発表した。配信と運営は中国のゲームサービス大手テンセントゲームスが行う。

上記発表を受け、モブキャストHD株は11日後場に動意づき、取引時間中に一時876円まで上昇した。ただし、翌12日には利益確定の売りに調整安を余儀なくされている。中国でのベータテストは朗報であるが、具体的にどの程度の収益増大につながるのかが今後の注目点となりそうだ。

メディアシーク、2019年7月期の黒字化予想を好感

メディアシークはシステム開発とデジタルコンテンツを手掛けるインターネット企業。QRコード読み取りアプリ等のソフトウエアを開発・提供しているほか、他社との協業で「週刊プロレスmobile」「東スポ芸能mobile」を運営している。

メディアシークは7日、2018年7月期の連結決算を発表した。売上高は微減で営業損失が1億7300万円(前期1400万円)に拡大。経常損益、純損益はいずれも赤字に転落した。法人事業でグループ子会社のコストが増加し、同事業が赤字となったことが影響した。

ただ、決算と同時に発表した2019年7月期の連結業績予想では、営業損益が1000万円の黒字、純損益が2400万円の黒字に転換すると予想している。会社側の黒字化予想が市場で好感され、週明け10日に買いを集めて株価が上昇、週間出来高は444万2000株に達し今回のランキングで10位となった。(ZUU online 編集部)