特集◆老後破綻しないためのじぶん年金のつくり方・STEP6

老後破綻,NISA,iDeCo,トウシル
(画像=トウシル)

年金減少世代の資産形成はiDeCoとNISAで。投資初心者も今すぐ始めるべき理由

目の前にある年金減少社会

公的年金の支給年齢は段階的に引き上げられ、現時点では、1961(昭和36)年4月2日生まれ以降の男性と、1966(昭和41)年4月2日生まれ以降の女性は全額65歳から支給されることになっています。加えて年金受給額も少なくなることが予想されている「年金減少世代」の私たちが老後を見越して備えるべき資産形成の方法について、紹介します。

初心者が少しの知識でスタートするならこの投資

「投資は怖い」「投資は面倒」。そんなふうに考えて、資産形成の手段として、投資に一歩踏み出せない人におすすめなのが、個人型確定拠出年金の「iDeCo」(イデコ)、少額投資非課税制度の「NISA」(ニーサ)や「つみたてNISA」を使って、少しずつ投資に慣れるという方法です。

どれだけ増やしても利益に税金がかからず、iDeCoなら掛金の控除も受けられます。

iDeCo、NISA、つみたてNISAを使うことの大きなメリットは二つあります。長い期間投資を続けることで、預貯金で貯めるよりもお金が大きく増やせる可能性があること、投資したお金(掛け金)や投資から得た利益に対して確実に節税効果が得られることです。

まずはiDeCoの紹介から。詳しくはトウシルの別コンテンツ(4月中旬公開)でお伝えしますが、iDeCoとは、自営業者やフリーランス、専業主婦などが加入する国民年金、会社員や公務員を対象とした「国民年金(基礎年金)」+「厚生年金」の公的年金に上乗せすることを目的に、任意で加入する私的年金制度です。

国民年金や厚生年金は、将来受け取る年金額(給付額)があらかじめ決まっている確定給付年金ですが、iDeCoはあなた(加入者)が決めた掛け金(拠出額)を、あなたが選んだ投資信託などで運用し、年金の原資を増やす確定拠出年金です。

将来受け取る年金額は、運用の成果によって決まるため事前にはわかりませんが、60歳から一時金や年金として受け取ることができます。

この確定拠出年金制度は「企業型」「個人型」ともに2001年10月からスタートしていますが、今iDeCoがとても話題になっているのは、2017年1月から加入対象が公務員や専業主婦まで広がり、「20歳以上60歳未満の国民年金加入者」なら誰でも自分の年金の上乗せ分を、自分で用意することができるようになったためです。

保険より大きなiDeCoの節税メリット

このiDeCoには3つの大きな節税メリットがあります。

(1)掛け金は所得から控除できる

例えば月2万3,000円の掛け金なら、年27万6,000円の全額が所得控除され、所得税、住民税の負担が減ります。

(2)iDeCo口座内で売買して得た売却益・配当・利息などは全額非課税

通常の売買では利益に対して20%(復興特別税を除く)の税金がかかるので、かなり有利に運用できます。

(3)給付金を一時期として受け取る場合は退職所得控除、年金として受け取る場合は公的年金控除が受けられる

大きな注意点はただ一つ。年金なので、原則として60歳まで受け取ることができないことです。

iDeCoに似た商品に、保険料を積み立てて満期になったら保険金を受け取る個人年金保険や養老保険のような貯蓄型保険があります。こちらも保険料が生命保険料控除の対象になるのですが、節税効果はiDeCoにはかないません。

NISAなら株も投資信託も買える

NISAとつみたてNISAが、国のすすめる「貯蓄から資産形成へ」という施策に沿った「投資家向けの優遇制度」、つまり国が全面バックアップしている制度であることをご存じでしょうか。

NISAとつみたてNISAを使って投資をする共通のメリットは、NISA・つみたてNISA口座で買った金融商品の配当・譲渡所得(つまり利益)が非課税になることです。 NISAでは、この年間非課税枠が120万円と決められていて、120万円までであれば株、投信、ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)などを売買したり保有することができて、そこから得られた値上がり益や配当、分配金などから税金が差し引かれることはありません。

投資家と聞くと「たくさんのお金を動かす別世界の人」のように思えるかもしれませんが、資産形成のために、「これから投資信託を買おうかな、株を買おうかな」と考えているならデビューを控えた投資家の一人。ぜひこの優遇制度のメリットを享受してください。

メリットと同時に、注意するポイントもお伝えします。

NISAは非課税となる期間が5年、商品の購入が可能な期間が2023年まで(ただし延長される可能性も)、年間の投資上限額が120万円(注1)と限られること。

注1:5年間の非課税額は120万円×5年=600万円

また年120万円の非課税枠を余らせても翌年に持ち越すことはできず、非課税枠の再利用ができません。これは大きなデメリットです。

どういうことかというと、例えば4月に100万円分の投資信託を買うと、残りの枠は20万円になります。9月に100万円分の投資信託を売却しても120万円に戻ることはなく、20万円の枠が12月まで続き、翌年1月から、120万円枠が更新されることになります。

つみたてNISAでは買える投資信託が決まっている

つみたてNISAは非課税となる期間が20年(2037年まで)と長いのですが、年間の投資上限額は40万円(注2)、枠内で買える金融商品は国が決めた142本(2018年3月19日時点)の投資信託(ETFを含む)です。国が厳選した投資信託なので、初心者でも選びやすいと言えるでしょう。なお枠の持ち越し、枠の再利用ができないところはNISAと同じです。

注2:20年間の非課税額は40万円×20年=800万円

だからといって、年間40万円の枠を使い切る必要はありません。口座を開設する金融機関にもよりますが、毎月100円という少額から投資信託を買うことができるので、投資は初めてという人でも怖くないですね。

なお注意点として、NISAとつみたてNISAははじめるために、専用の口座を開設する必要がありますが、どちらか一つしか開設できないので、自分の投資目的に合ったほうを選びましょう。

投資スタートはiDeCoからがおすすめ

ところで、iDeCo、NISA、つみたてNISA、やりくりしたお金を投資するのに、「どれを選んでスタートすればいいか、わからない」という人もいるでしょう。

おすすめはiDeCoからまずスタートして、まだ余裕のお金があればNISAか、つみたてNISAにするという順番です。株や投資信託など、いろいろな商品に投資してみたいのならNISA、投資信託を買ってコツコツと貯めていきたいのなら、つみたてNISAを選びましょう。

どの制度を使うにしても、基本は節税メリットを受けながらの長期投資です。

もし投資家デビューが不安なら、最初は少額から始めて、慣れてきたら金額を増やしましょう。

STEP5を読む≫≫

この記事の特集まとめ●老後破綻しないため~を読む≫≫

篠田 尚子(しのだ しょうこ)
楽天証券経済研究所 ファンドアナリスト
慶應義塾大学法学部卒業、早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。国内銀行で資産運用関連業務に従事後、ロイター傘下の投信評価機関リッパーで市場分析担当、ファンドアナリストとして活躍。2013年より現職。

(提供=トウシル

【みんな最初は初心者!】 10月4日は投資(トウシ)の日!みんなの投資デビュー物語
【優待名人・桐谷広人】超カンタン![桐谷式]株主優待のはじめ方と銘柄セレクト術
【ムダな損を減らそう】投資で失敗しないために破ってはいけないルール
【じぶん年金】iDeCo(イデコ)って何?節税メリットと注意点を総ざらい
【なぜあなたは失敗するのか】投資で失敗しないためのルール。塩漬け株、行動心理学、お金が増えない人の共通点