本記事は、稙田 秀隆氏の著書『起業、個人事業、中小零細経営者のための 資金繰り1年生』(あさ出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

資金
(画像=tarik / stock.adobe.com)

『だーかーらー!』

銀行から600万借りたら600万の現金が手元にくるの。

返済は5年60回で10万と金利を払ってくの。
30カ月経ったら、また600万借りるの。
ぜんぶ返しちゃ駄目なの。

借入金の半分は借パク、永遠自己資本なの。

借りる=返済のプレッシャーなんか? 経営は家計じゃねぇんだからよ。

これ理解してねぇ奴が資金ショートして破産していくんだよ。

『それでも家計感覚は働きます』

家計と経営は別物とかうたいながら今日は頭がバグった。

9月20日に300万借入の話を信金マンと話してたんだけど、正直借りんでも何とかなる。

借りるのやめよかな …… イカンイカン。

今手持ちの資金があるから300万貸しますよって返事もらえてるわけ。
口座から300万減ったときに果たして同じ返事がかえってくるのか?
手持ちの300万なくなった後に何か資金が必要になった場合、信金は俺に融資するのか? 怪しい。

そう、俺の口座に今ある金は見せ金でありタネ銭として活用しなきゃイカンのや。

なんぼ経営、経営言うても家計意識働いてまうなぁ、しょうがないよね。

『違うんだよ、母ちゃん、そうじゃないんだ』

借用書に印鑑押す刹那せつな、母曰く

「500万とか借りなさんな、私が出したげるわ。金利もったいないやん」

いや、母ちゃん、銀行から貸せないて言われたときにその500貸してよ。

それかコノ500が返せなくなったらポケットマネー500貸してよ。

実際に何度もあったやり取りです。

総じて女性の方が家計意識が高く金銭にはコンサバな傾向あるかんね(個人見解よ)。

母ちゃんよ、500万貸してくれたとして上手く稼げなかったら、ワシ母ちゃんの500をただ溶かすだけで会社もアンタもタネ銭ゼロやったがな。

『普通は借りないよ、家計なら』

「個人で預金が500万あるのに、なんで300万借りなきゃいけないんですか?」

家計感覚ならそうだろけどね。

500万の預金あるから融資勧めてきてんのよね。
借りたら計800万の手持ち資金なんだけどなー。

『資金繰り1年生』より引用
稙田 秀隆(わさだ・ひでたか)
オルタスクリエイト代表
1975年生まれ、大分県大分市育ち。東京外国語大学スペイン語学科4年過ごしてキッチリ中退。東京で就職したのち、帰郷して父の経営する水道工事会社へ入社。
2007年2月、父が事業に1億円の借金を残したまま逃亡。その後、3年間働きまくって借入金残高を3000万円まで減らし、従業員、車両機材を子会社へ移転したのち、法人を自主廃業。
借金3,000万円をすべて引き受け、資本割れ・赤字だった子会社を黒字転換させたのち、個人事業主として新規開業。負債も完済。
2024年から父失踪時の資金繰りの話などをThreadsに投稿し始めると話題になり、100万PVを連発。資金繰りに関する質問が寄せられるようになる。
現在は、本業の傍ら、無料でフォロワーからの相談に乗っている(本を読んでから相談してください、話が早いです)。

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