本記事は、稙田 秀隆氏の著書『起業、個人事業、中小零細経営者のための 資金繰り1年生』(あさ出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
『経営者脳って、これじゃ!』
手持ち現金が500万あるとする。
100万の軽バン買うとして、
「500万もあるんやし現金で買うたろ」てなりがちやん。500万しか持ってねえのに。
でもそら家計や。
出ていく100万が実利を生むのって少し時間がかかる。
現金100万はすぐ消えて、手持ちは400万になっちゃう。
3年ローンくらい組んで数年かけて減価償却しながら、軽バン使って利益出していくはず。
500万持ってるんやろ? 銀行に言いなよ。
「軽バン買うから100万貸して」
貸すがな。
エェ客キタ思うで銀行も。
あら不思議。アナタの手持ちのお金、ひとつも減ってないやん。
手元の金使ってなんかできるでしょうよ、もう1個。
そうやって事業膨らますんと違う?
「500万現金あるのになぜ100万借りるん?」
この家計の意識から脱却できなかった創業者、経営者が消えていったんと違うかな。
(経営者脳って何ですか? 言われてしもうたんよ、これじゃボケ!)
『だって全額返済するつもりないんだもん』
借入金を全部返済する気なんて毛頭ありません。銀行に。これっぽっちも。
家計と経営の考え方の違い、銀行借入の活用を唱え散らかしてる私ですが、もちろん毎月約定返済しています。
が、借入金を全額返済する気なんてなし。
「事業続けてる間は」です。
それどころか長期借入5年証書貸付なんて、早く30カ月経たねぇかな、折り返してまた借りて現金増やしてぇ~と思う始末。
現金ない、支払いヤバい恐怖はもうイヤじゃ~。
『地獄見れるよ~』
100万円持ってて100万円借金。
怖いですか?
借りた瞬間200万の手持ち資金ですよ。
200万円持ってて100万円借金。
怖いですか? 怖くないよね?
100万円持ってて枯渇するまでギリギリで経営続けて現金0になる方が怖いよ。
で、現金0になった瞬間 ……。
どの金融機関も相手してくんなくなるの。
地獄見れるよ~(俺は見た)。
『自己資金投入の順番が違うよ、順番が!!』
とある投稿を見てしまった……。
銀行借入に抵抗を感じ恐れた挙げ句。
個人の預金を法人に突っ込み、
「もう資金が尽きた」
逆だよ、逆。
自己資金は「いつでも出せる」んだから。
事業投入すんのは、融資のNO食らってから。
最後の最後か、事業立て直しのときだよ。
自分の財布まで空になったら駄目だろ。
事業・経営者してて何で借入怖いの? 上場企業の経営陣で借入全額返済するつもりの役員なんていないぜ。
1975年生まれ、大分県大分市育ち。東京外国語大学スペイン語学科4年過ごしてキッチリ中退。東京で就職したのち、帰郷して父の経営する水道工事会社へ入社。
2007年2月、父が事業に1億円の借金を残したまま逃亡。その後、3年間働きまくって借入金残高を3,000万円まで減らし、従業員、車両機材を子会社へ移転したのち、法人を自主廃業。
借金3,000万円をすべて引き受け、資本割れ・赤字だった子会社を黒字転換させたのち、個人事業主として新規開業。負債も完済。
2024年から父失踪時の資金繰りの話などをThreadsに投稿し始めると話題になり、100万PVを連発。資金繰りに関する質問が寄せられるようになる。
現在は、本業の傍ら、無料でフォロワーからの相談に乗っている(本を読んでから相談してください、話が早いです)。
※画像をクリックするとAmazonに飛びます。
- 「だーかーらー!」ぜんぶ返しちゃ駄目なの!
- 自分バランスシートを作ってみよう
- 借入は借金? いいえ、「利益の前借り」です
- 借入金を全額返済するつもりなんてないんだもん
- メディアに登場する経営者あるあるとは
