本記事は、稙田 秀隆氏の著書『起業、個人事業、中小零細経営者のための 資金繰り1年生』(あさ出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
『自分バランスシートつくってみて』
キッツイ時期を越えてから自分のB/S(バランスシート、貸借対照表)つくりはじめたんです。
14年くらい前かな。
税理士がくれる月々の試算表とは別。
会社の現金いくら、個人の現金いくら、会社の借入いくら、個人の借入いくら、これに所有不動産価値入れたりして。
500万借りても現金が500万増えるのでExcelの合計額変わらないの。当たり前。でもこれが、ザ・バランスシートやん。
決算書じゃ利益出てるけど現金ないとかザラやん。資産計上されてる機械とか減価償却(※)で黒字やん。
※:資産の購入費用を使用可能期間にわたって分割して費用計上する会計処理
○○株式会社が倒産しました。負債総額は○億円です。
て報道されるから勘違いしがちなんやけど、借金あったから倒産したんやない。現金なくなったんや。
自分バランスシートお勧めです。冷静に判断できるようになりました。
『金さえあれば事業終わらない』
経営者が一番働くのは大前提よ。従業員コキ使って上前跳ねりゃイイって奴は今すぐ首吊れ。
現金の動きを掴める一覧くらいはつくった方がいい、マジ今すぐ。
お金ないお金ないで頭いっぱいで仕事どころじゃなくなる気持ちすごくわかる。
それ悪循環。
金さえあれば事業終わらない。元気な間頑張って仕事しよう。
心配いらん、だって俺ら絶対いつか死ぬじゃん。
『経営者を会社は助けてくれん、自己防衛せにゃいかん』
ワシら事業しとったら倒産破産の危機はあるわけやん。
何が起こるかわからんし。
年金、年金基金、小規模共済、倒産防止共済、iDeCo、ここら辺はそれぞれ特徴あるけど自己破産しても差押えできない資産やで。
(税金絡みとか口座に入ったらとかあるけど)共通しとるんわ、掛金は全額控除。
節税に活用しながら自己防衛しようぜ。
小規模共済が最強やけど。
『相談相手を間違ってませんか?』
仕事の依頼がきたんだが、相手方の経営内容がわからん。
東京商工リサーチのデータ持って評価を銀行担当者に聞いた。
担当者は帝国データバンクにも探りを入れた。
「取引は慎重に」が結論。
「銀行担当者を自社のコンサルにしろ!」ていつも言ってんの。
借入して毎月金利払ってる時点で俺ら銀行の顧客なんだから、お金必要なら素直に銀行に相談。
取引金融機関そのものをコンサルにしちまえ。税理士やコンサルに相談しても金貸してくんねぇじゃん。
『年収→所得→課税所得ですよ!』
年収があって、所得があって、課税所得があるんだけど、コレを理解してないの多いな。
年収1,000万で所得税33%なんですけど! て何も理解してねーじゃん。
所得税率40%に達しても、稼げば稼ぐほどお金貯まるんだけど。
確定申告書の左下の枠の中を充実させるだけで課税所得下げられて税負担ラクになってくんだけど。
何が書かれてるかも見てねぇんだろな。
1975年生まれ、大分県大分市育ち。東京外国語大学スペイン語学科4年過ごしてキッチリ中退。東京で就職したのち、帰郷して父の経営する水道工事会社へ入社。
2007年2月、父が事業に1億円の借金を残したまま逃亡。その後、3年間働きまくって借入金残高を3,000万円まで減らし、従業員、車両機材を子会社へ移転したのち、法人を自主廃業。
借金3,000万円をすべて引き受け、資本割れ・赤字だった子会社を黒字転換させたのち、個人事業主として新規開業。負債も完済。
2024年から父失踪時の資金繰りの話などをThreadsに投稿し始めると話題になり、100万PVを連発。資金繰りに関する質問が寄せられるようになる。
現在は、本業の傍ら、無料でフォロワーからの相談に乗っている(本を読んでから相談してください、話が早いです)。
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