本記事は、中野 晴啓氏の著書『貯め方・使い方の不安がスッと消える! 女子が自分らしく生きるためのお金計画』(翔泳社)の中から一部を抜粋・編集しています。

日本円の新紙幣の一万円札と株価チャートと貯金箱と電卓で株式投資のイメージ
(画像=洋 奥山 / stock.adobe.com)

買うタイミングはいつがベスト?

(女性)投資信託は、毎月同じ日に買うことが多いと思いますが、何日に設定すればいいのかは悩みどころです。
(中野)この日に買います! と決めている証券会社もある一方で、自由に選んでくださいという証券会社もありますね。そうなると、たしかに悩んでしまいます。
(女性)それに、積み立て以外でも買うことができるので、例えば下がった時に買うのもアリなのでしょうか。
(中野)一番安くなった時に買うのがベストですが、それは簡単ではありません。
自分の好きな日にコツコツ買っていけばいいんですよ。まずは買う日の決め方の例をいくつか紹介します。

投資信託を買う日は気にしない

NISAで投資信託を買う場合、毎月同じ日に設定することが多いと思います。毎月積み立てるならばそうしたほうが楽ですし、買い忘れもありませんからね。

では、買う日をどうやって決めるかですが、例えば給料日に設定するのも方法の1つです。その日なら金融機関の口座にもお金が入っていて懐も温かいので、投資信託を買うぞ! という気持ちになりやすいかもしれません。他にも月のスタートである1日、誕生日が6月8日であれば毎月8日にするなど、自分にとって何か意味のある日にしてもいいと思いますよ。

余談ですが、投資信託の基準価額が上がりやすいといわれる日もあります。月末、月初、給料日です。キリのいい日に買付日を設定する人が多いからですね。基準価額が高い日よりも安い日に買いたいので、その日は避けたほうがいいのかなと思うかもしれませんが、劇的に違いが出るわけではないので、あまり気にしなくてもいいと思いますよ。

投資信託の買付日と引き落とし日は違う

投資信託を買う日を「買付日」や「約定日」といいます。これを事前に決めるのは、その日にお金がないと困るからでしょう。でも、実際は買付日とお金が引き落とされる日(引き落とし日、あるいは受渡日)は異なるのです。

買付日は毎月1日~31日の範囲で指定ができます。ただし、その日が土日や祝日であれば、原則として翌営業日となります。一方で引き落とし日は、指定した買付日の前営業日です。その日に本人名義の通常貯金口座からお金が引き落とされます。

ということは、買付日よりも前に、毎月設定している投資額を通常貯金口座に入れておかないといけないですね。もしお金が足りなかったら、その月の買付は行われません。

買付金額が3万円で、通常貯金口座に2万円があったとしても、2万円分が買い付けられるわけではないので、その月は買付がされない結果に。通常貯金口座にお金を用意することを考えるならば、買付日ではなくその前までにきちんと準備しておきたいですね。

女子が自分らしく生きるためのお金計画
(画像=女子が自分らしく生きるためのお金計画)

毎日ちょっとずつ買ったほうがいいの?

資産形成をするには、長期・積み立て・分散の3つがポイントになってきます。このうち、分散にはいくつか意味があって、投資先の分散もありますが、買うタイミングの分散もあります。毎月積み立てるのは、買うタイミングを変えられるから。相場は動いているので、上がっている時も下がっている時も買うために、毎月同じタイミングで買うようにしているわけです。

そうなると、毎日ちょっとずつ買えば、最高の分散になるのでは? と思ってしまいますよね。仮に相場が大きく下がることがあれば、毎日買うことで、すごく下がった日でも買うことができます。その日を狙って買うのは難しいですし、下がっている時はもっと下がるのではないかと不安になるので、そのタイミングで買おうという気持ちにはなりにくいのは事実です。

女子が自分らしく生きるためのお金計画
(画像=女子が自分らしく生きるためのお金計画)

そういう意味では、毎日自動的に買うことには何らかの意味があるのでしょうが、長期的に見ると毎日買う必要はないと思いますね。長い期間で考えるということは相場もならして考えるということ。細かい上下はありますが、それさえもならして考えるわけですから、ちょっとした動きは関係なくなるからです。

長期投資をするならば、月に1回で十分です。毎日買うのと結果はほぼ変わらないと思いますよ。

貯め方・使い方の不安がスッと消える! 女子が自分らしく生きるためのお金計画
中野 晴啓(なかの・はるひろ)
なかのアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長
1987年、明治大学商学部卒業。旧セゾングループ内投資顧問会社にて外債ポートフォリオを中心に資産運用業務に従事した後、2006年セゾン投信株式会社を設立、2023年6月に代表を退任。同年9月なかのアセットマネジメント株式会社を設立、2024年4月にアクティブ運用の長期投資ファンド「なかの日本成長ファンド」「なかの世界成長ファンド」の2本の運用をスタートさせた。全国各地で講演やセミナーを行い、長期投資の普及に尽力するとともに、積み立てによる資産形成を広く説き「つみたて王子」と呼ばれる。 公益社団法人経済同友会幹事他、投資信託協会副会長、金融審議会市場ワーキング・グループ委員等を歴任。

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