クレジットカードが浸透し、現在では支払方法が多様になり、便利になっています。しかしその半面、収入に見合わない買い物をしてしまったり、月々の支払額が多額になったりするという問題も起こっています。

健全なライフプランのためには、借金やローンは少ないに越したことはありません。ここでは「健全」をテーマに借金の話を中心にお送りしましょう。

知らないと損をするリボ払いの利率

リボルビング払い
(画像=Shutterstock)

手持ちの資金がない場合、ついついクレジットカードのリボルビング(リボ)払いを利用してしまう人もいることでしょう。しかし、リボ払いは、実は損な支払い方法ということをご存知でしょうか。

なぜリボ払いが損かというと、まず、利息が非常に高いことがあげられます。現在、利息制限法が定める上限金利は元本の額が100万円以上の場合は15%ですが、ほとんどのリボ払いの利息は、この15%かそれに近い金利が設定されているのです。2018年1月現在、大手の金融機関の定期預金金利がほぼ0.01%であることを考えれば、15%というのは高い数字であることがわかります。

もう一つ、リボ払いでは支払いが長期化する恐れが高いことがあげられます。月々1万円ずつの返済と聞くと、計画的な支払いができるように感じるかもしれませんが、30万円の品物を購入した場合、利息がつかなくてもすべて払い終えるまでには30ヵ月かかります。2年6ヵ月という期間になりますが、もちろん、通常ならばその間ずっと利息がついていくことになるのです。

借金は雪だるま式に……

ローンは、返済が滞って時間が経てば経つほどその利息が膨らんでいくため、雪だるま式に返済額も増えていくことでしょう。

少し難しい用語ですが、「複利」という言葉があります。複利とは、その期間に元金についた利息にも次期の利息がつくことです。たとえば、100万円のローンを10%の金利で組んだ場合、1年後には10万円の利息がついて110万円になります。そして返済が滞れば、2年後はその110万円の10%である11万円の利息がつくのです。このように、複利で増えていく借金やローンは、時間が経てば経つほど支払額が増えていくことになります。

ローンがあるなら、まずは借金の返済を優先

健全なライフプランを考えるうえで、借金やローンというのはできるだけなくしたほうが良いでしょう。現在は低金利の時代のため、ローンを返すよりも資産運用をしたほうが効率的なのではないかという話も聞きますが、たとえば3%のローンを組んでいる場合、ローンを返済せずに資産を5%で運用するほうが果たして良いのでしょうか。

実はこの比較は単純に行うことができません。なぜなら、投資はリターンとリスクを総合的に考えて判断する必要があるからです。

仮に期待リターンが5%と7%の投資信託が2種類あったとします。5%のほうは比較的情勢が安定している先進国を対象としたファンドで、7%の期待リターンが見込まれるほうは、新興国を中心としたものとします。

この場合、新興国に投資をしたファンドのほうがリターンは大きいのですが、当然、情勢の変化でその価格が大きく上下することもあり得ます。よって、2つのファンドは投資額やリスク許容度など、各々でさまざまな面から判断することが必要でしょう。

さて、ローンと資産運用も同じように判断することが必要です。資産を5%で運用できれば、3%のローン返済より投資効率は高いのですが、当然リスクも生じます。一方、3%のローンを返済するだけでは大きく資産を増やすことはできないかもしれませんが、ローンを集中して返済するということは、必ず3%の金利を減らしていけるということであり、堅実な投資方法ともいえるのです。

資産運用は、借金完済後のほうが効果が見られる

ライフプランを健全に保とうとする場合、リボ払いはできるだけ避けたほう良いですし、借金やローンも極力少ないに越したことはありません。そして、15%の利息を長期間払い続けるリボ払いが、いかに消費者にとって損なローンであるかも理解できたのではないでしょうか。もし高い利息のローンがあるなら、まずそれを返済し、そのあとに資産運用をはじめるという順番がいいでしょう。

借金やローンがある状態で資産運用を考える場合は、リターンとリスクを考える必要がありますが、借金を返済してから資産運用をはじめるという順序を踏むと、投資額も増やせ、高い複利効果も期待できます。まずは確実に借金を返済し、健全な家計を目指してみるといいでしょう。

(提供:フィデリティ投信