毎年、春・秋になると叙勲や褒章受章者が決まったという報道を耳にします。知り合いが受章したことがある、という人もいるのではないでしょうか。あなたやご家族も、叙勲や褒章を受章することがあるかもしれません。受章時には宮中に参内し、天皇陛下に拝謁することになりますが、フォーマルな服装マナーがあります。いざという時のために確認しておきましょう。
そもそも叙勲・褒章とは一体何?
叙勲・褒章は毎年4月29日と11月3日に授与されています。この栄典制度は明治時代から続いているもので、これまでに数回、制度の改正が行われています。
現在の授与対象者については以下の通りです。
叙勲(春秋それぞれ4,000名ほど)
・国または公共に対し功績のあった70歳以上の人
・労苦の多い業務や人目に付きにくいところで長年業務に励んだ55歳以上の人
褒章(月に一度授与が決定する紺綬褒章を除く。春秋それぞれ800名ほど)
・褒章の授与にふさわしい人
・年齢制限はない
都道府県などの自治体や団体の推薦者から挙げられた候補者を各府省にて選考の上、内閣府賞勲局で審査し、閣議決定後に、天皇陛下の御裁可を得て発令されます。
叙勲・褒章の授与が決定!どのような服を準備すればいい?
さて、叙勲や褒章の授与ですが、各省庁単位での伝達式(都道府県で行われる場合もある)の後、天皇陛下への拝謁が行われるというスケジュールになります。
その伝達式、および拝謁時の服装のマナーですが、授与される勲章の種類によって若干の違いがあります。
旭日大綬章・瑞宝大綬章など天皇陛下から直接授与される勲章の場合には、男性は燕尾服、女性はローブデコルテ(イブニングドレス)、もしくはローブモンタント(ロングアフタヌーンドレス)に限られます。着物の着用はできません。つまり夜会の装いであり、最もフォーマルな格式になるわけです。
文化勲章や旭日重光章の場合では、男性がフロックコート、モーニングコートまたは紋付羽織袴、女性は色留袖あるいはローブモンタントです。色留袖は葬儀を連想させる黒色は避けましょう。
小綬章・双光章の場合も、文化勲章などと同様の服装が望ましいのですが、準礼服でも構いません。ただし、女性のスカート丈はふくらはぎ丈から膝が隠れる丈がいいでしょう。
また、叙勲・褒章を受章するために宮中に参内し、天皇陛下に拝謁する際には、同伴者を伴うことができます。この同伴者は配偶者という決まりがあります。同伴者の服装も、受章者と同格の装いにしておくのがいいでしょう。
勲章・褒章は付けておくのが義務!あったら便利な道具とは?
天皇陛下に拝謁する際は、いただいた勲章・褒章を身に付けておかなければいけません。胸に付ける場合、そのまま糸で縫い付けるのもいいのですが、重みでモーニングの胸部分が垂れてしまい不格好になる恐れがあります。また、落としてしまう危険もあります。
せっかくの正装をきれいに着こなすためにも、勲章・褒章を付けられる道具である佩用金具(はいようかなぐ)を準備しておくのはいかがでしょうか。佩用金具は冠婚葬祭道具を扱う店や、ネットショップなどで販売しています。忘れないように、受章が決まったらすみやかに購入しておくといいでしょう。
受章してから慌てないように流れはつかんでおこう!
叙勲・褒章の受章ですが、内定の連絡から伝達式までの期間が非常に短い場合があります。受章するものの種類によっては1週間ほどしかないこともあるそうです。
受章することが決まってから慌てて準備することがないように、身近に受章経験者がいるのであれば、内定の連絡をもらった段階で伝達式などの流れを聞いておくことをおすすめします。衣装については百貨店の礼装フロアなどで相談することもできます。また女性の場合は、着物の着付けやヘアセットにどのくらいの時間がかかるかを確認しておいてください。
誉れある受章を満足いくものにするために、準備を万全に整えて臨めるようにしましょう。(提供=JPRIME)
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