政府が会社員の副業を解禁する方向で動いています。それに伴い、社員の副業を認める企業が今後増えてくることも予想されます。

しかし副業を始める前に、どんなメリットがあるのか、どれくらい稼げるのか知っておきたいという人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、20代の社会人に向けて副業にどんなメリットがあるのか、どれくらい稼げるのかなど、気になる点をご説明します。

収入以外にも!20代から副業を行う3つのメリット

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(写真=Flamingo Images/Shutterstock.com)

20代のうちは、収入はもちろんのことスキルや経験を身に付けることにも力を注ぐ必要があります。20代での努力が、30代以降のキャリアと収入につながってくるのです。

その点を踏まえると、より一層副業をおすすめできます。副業をすることで、本業だけでは得られないスキルや経験につながります。たとえば、副業を通じて仕事を取るための営業活動、報酬やスケジュールの調整など一人で交渉をこなす経験を得ることができます。

すると「会社に頼らず、自分で稼ぐ」という意識が自然と高まります。副業でタイムマネジメントや営業のコツ、交渉力などビジネスに必要な能力を広く身に付けられるのです。会社勤めだと、20代のうちからこれらの経験を積むことは多くはないのではないでしょうか。中には、定例作業の習熟だけを求めている若手社員もいるかもしれません。そういった業務も大事ですが、副業で幅広い経験を積むことは将来の糧になるはずです。

これと関連して、仕事に対する当事者意識が強まることもメリットと言えるでしょう。上司や先輩が「何とかしてくれる」と依存するのではなく、「自分がやる」という意識を持つことはとても重要です。副業を通じて仕事に対する当事者意識を強く持てるようになると、本業の仕事でも能力が高まりやすくなります。

副職で磨いたスキルが、将来の転職や独立に生かせるのもメリットです。たとえば、プログラミングを学んで副職として仕事を請け負えば、スキルが磨かれて将来的にエンジニアとして転職したりフリーランスになったりする道が見えてきます。副職は、キャリアを築くきっかけになる可能性を秘めているのです。

副業収入で最も多いのは「月に5~10万円」

「収入以外にもメリットがある」とお伝えしましたが、やはり副職でどれくらい稼げるのか気になる人も多いでしょう。もちろん副職の種類や個人のスキルによって千差万別なのですが、2007年に行われた調査では5~10万円の人が最も多いとの結果が出ています。

もう少し詳しく見ると、月に「5~10万円未満」と回答した割合が27.2%と最も多くなっています。その一方で「1万円未満」が3.3%、「30万円以上」も5.5%います。中でも「不動産業」を副業として営む人のうち、20万円以上と回答したのは29.8%です。このように、副業の種類などによって副業収入は大きく異なっていることが分かります。

月に5万円稼げるだけでも家計が楽になったり、自由にできるお金が増えたりと目に見えて生活を変えられるという人も多いでしょう。まずは「月5万円」が目指すべき目安となるかもしれません。

副業を上手く続けるための注意点

本業に従事しながら副業も続けるには、3つ注意点があります。まず、当然ではありますが本業に支障を来さないようにすることです。「副業OK」としている会社でも、就業規則のただし書きとして「本業に支障を来さない限り」としているケースもあります。企業の就業規則のモデルとなる厚生労働省作成の「モデル就業規則」でも、「労務提供上の支障がある場合」は副業を禁止または制限できるとされています。

次に、副業にはいろいろな種類があることを認識し、なるべく自分にとって負担のない方法を探すようにしましょう。副業と言っても、パート・アルバイトのように別の会社やお店で働く方法、自分で何らかの作業をして報酬を得る方法(プログラミングやライティングなど)、不動産投資など投資によって資産を増やす方法などがあります。本業があるなら時間的にも体力的にも限りがありますから、無理して副業の時間を増やさないよう注意が必要です。また、性格的に向いていない副業を続けるのも避けた方がよいでしょう。

最後に、副業で得た所得に対する税金の申告を忘れないようにしましょう。所得が年間20万円を超えたら、確定申告の義務があります。またパートやアルバイトなどにより、本業と合わせて2つ以上の会社から給与収入を得ている場合も、確定申告が必要です。1社だけから給与収入を得ている一般的な会社員であれば、年末調整という形で会社が税務処理をしてくれます。しかし副業があると、自分の責任でこうした作業を行うことになるのです。

以上のように、自分の裁量で稼げる副業の裏には、自己責任で注意すべきことがあります。しかし副業で経験を重ねると、仕事でもプライベートでも自分の成長につながるでしょう。無理のない範囲で、会社の就業規則に違反しない限り副業に取り組んでみてはいかがでしょうか。(提供:Incomepress

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