今週初め、アマゾン(Amazon)(NASDAQ:AMZN)は、このホリデーショッピングシーズンで記録的な売上をあげたことを伝えた。昨日、ニューヨーク株式市場が続落から大きく反発する中で、アマゾンは9.59%上昇し1470.90ドル近くまで上昇した。

しかし、現在はまだアマゾン株の買い時ではないだろう。アマゾンは他の株と同様に下降トレンドであり、米国株式市場は弱気相場入り目前である。アマゾンは米国の消費者の動向を表すものだと考慮すると、米国経済成長が鈍化していることは、消費者ベースのアマゾンにとって懸念事項である。

我々はこのアマゾン株の反発には乗らないことを推薦する。今週初めの記事で、我々は本格的な弱気相場入りの前に一度反発することを予想していた。そしてこれが、弱気相場の前の最後のあがきであると見ている。

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(画像=Investing.com)

アマゾン株は9.45%回復し、「明けの明星」を形成している(上図:四角で囲ったところ)。「明けの明星」は3営業日で形成され、底からの反転を意味している。まず、1.大陰線があり、2.次のローソク足は一つの前のローソク足の実体(始値と終値の間)に触れず(下落が弱まってることを示す)、3.最後に大陽線が来る。

この2番目のローソク足を同時線という。最後の3番目の「大陽線」は1番目の「大陰線」を終値で上回るだけでなく、大陽線の実体は大陰線を覆うことが大事である。

この様に、テクニカル的には上昇のシグナルが出ているのにも関わらず、なぜアマゾン株を避けたほうが良いのだろうか?以下がその8つの理由だ。

  1. アマゾン株は9月4日の最高値から34.10%下落し、弱気相場入りしている。
  2. 同様に、現在も下降トレンドの最中である
  3. 株価は10月以来の「下降チャネル」の中で取引されている。「明けの明星」はこの「下降チャネルの下限」で起こっている。よってこの反発は、下降チャネルの中での調整と考えられる。
  4. 100日の移動平均線がこの下降チャネルの上限にあり、抵抗ラインになっている。
  5. すでに、デッドクロスを形成している。
  6. デッドクロスが起こった水準では今月2回も抵抗ラインとして作用している。
  7. RSIはネガティブ・ダイバージェンスである。よって上昇の勢いは弱いことが考えられる。
  8. この反発(大陽線)は出来高を伴って強かったが、「大陽線の出来高」は「大陰線の出来高」より著しく低かった。

理想的には、この下降チャネルの上限である1700ドルの水準まで戻ることを期待している。また、この水準まで戻れば、ショートエントリーに最適だと言える。

トレード戦略

慎重なトレーダーは、この下降チャネルの上限を待ち、大陰線の後もう一度上限を試すまで待とう。

一般トレーダーは、50日の移動平均線の水準の1630ドルでショートエントリーできるだろう。また、下降チャネルの上限へ向かって上昇するのを待っても良い。慎重なトレーダーとの違いは、上限を試すかどうか待たないことである。

積極的なトレーダーは、この反発に乗ってロングエントリーをしたいかもしれないが、「明けの明星」のサポートラインである1300ドルの水準をテストするかどうかを待ったほうが良い。ロングエントリーのリスクは、現在の下降トレンドに逆らうことになることだ。このようなリスクを負って利益を出すことはできるが、繰り返すことによって統計的に損することは忘れないように。(提供:Investing.comより)

著者:ピンカス コーエン