相続税の申告を依頼する税理士はどうやって選べばよいのか?

皆同じに見えて違いがよく分からない。そういったお悩みをお持ちの方へ、この記事を最後まで読んで頂ければ、相続税申告を依頼する税理士の選び方が分かるようになっています。

相続税申告を依頼する良い税理士の選び方徹底ガイド
(画像=税理士が教える相続税の知識)

1.相続税申告を依頼する良い税理士の選び方

どの税理士に依頼しても、税理士という難しい国家資格に合格している専門家なので、多少対応の良し悪しはあるけれど、納める相続税の金額は同じになるのでは。と思っている方がいるとすれば、それは間違いです。相続税は、その計算をする税理士によって最終的な相続税額が異なると言われています。

その一番の理由は、税理士業務において相続税申告業務が非常に特殊なものだからです。

相続税申告を依頼する良い税理士の選び方徹底ガイド
(画像=税理士が教える相続税の知識)

現在、日本には税理士が約7.5万人ほどいます。一方で、日本の年間の相続税の申告件数は約5.4万件。この5.4万件という件数を税理士の数で割ると、0.72件となり、1年間の間で相続税の申告業務を1件も経験していない税理士がいるということが分かります。

一般的な税理士の主なお仕事は、法人税、つまり会社の税金を計算することです。ちなみに日本には株式会社が100万社以上あり、また株式会社は毎年法人税の申告が必要なので、これが税理士のメインの業務であることが分かっていただけると思います。

医者に、内科・外科・皮膚科、と専門分野があるように、税理士にも実は専門分野があります。一般の税理士は法人税をメイン業務としますが、相続税を専門とする税理士、国際税務を専門とする税理士、といった具合に得意分野が必ず存在します。相続税を得意としない一般の税理士に相続税申告を依頼することは、内科医に無理を言って外科手術をお願いするようなものです。

相続税を得意としない一般の税理士にお願いすることで、本来払わなくてもよいはずの無駄な税金を払いすぎてしまう可能性も否定できません。

相続税を得意とする税理士に依頼することで、相続税の納税を最小限に抑えることができ、かつ税務調査になるリスクも最大限回避できます。

では、具体的にどのように、相続税に強い税理士を見分け、そして選べばよいのでしょうか。以降で解説していきたいと思います。

1-1.ホントに相続税に強いかどうかを見極める5つのポイント

相続税に強い税理士に相続税申告を依頼した方が良いことは分かったけど、では一体どうやって相続税に強い税理士を見分ければ良いのか。

インターネットを検索してみても、相続税に強そうな税理士事務所のHPがいっぱいあって違いがよく分からない。

そんな方のために、ここでは、ホントに相続税に強いかどうかを見極めるポイントを5つご紹介したいと思います。

【ポイント1】事務所の年間相続税「申告件数」をチェックしよう!

インターネットで相続税に強そうなHPを発見したとします。まずは、その事務所自体の実績を調べましょう。一番分かりやすいのは、年間の相続税申告件数の実績です。ここで注意すべきは、相続税の“相談件数”ではなく、“申告件数”の数を確認することです。相談件数は、電話相談やセミナーでの質問等の数を入れることで数が水増しされている恐れがありますし、また客観的な比較数値には適しません。

一方、相続税の申告件数であれば、誤魔化しようがない客観的な数値ですので事務所を比較判断する材料になります。ただ、相続税の申告件数等といった、“等”がはいったような表現にも気を付ける必要があります。

事務所に相続税申告のノウハウがたまっていくためには、ここで少なくとも年間100件以上の申告実績は欲しいところです。年間100件以上という条件を付けるだけで、全国の7万人の税理士から、数十程度の会計事務所に絞られると思います。

【ポイント2】税理士1人当たりの年間申告件数をチェックしよう

次に確認すべき事項が、その事務所に在籍している税理士1人あたりの年間の相続税申告件数です。

例えば、税理士が100名いる会計事務所で、年間の申告実績が1000件の場合と、税理士が10名の会計事務所で申告実績が500件の場合では、明らかに後者の方が、専門性が高いと言えるでしょう。

ちなみに、従業員数が何百人という大手の税理士事務所は当然相続税の申告実績も多くなっていますが、これは医者の世界で例えると大学病院のイメージです。

紹介状やコネがない状態で飛び込むと、研修医や新人が担当となり結果的に良いサービスを受けられないという可能性もあります。

【ポイント3】広告に偽りなしかをチェックしよう

「相続税専門〇×会計事務所」というHPを発見し、いい感じだなと思ったとします。

その場合、次に行って頂きたいのが、「〇×会計事務所」という事務所の名前で検索をしてみてください。そうすると、「法人税専門〇×会計事務所」と言ったHPが別途作られている可能性があります。

どっちが専門?と突っ込みたくなると思いますが、実際にこうしたことはよくありますので注意する必要があります。

またホームページに、〇〇センターと言った形で、会計事務所名を明示していないケースもありますが、場合には運営会社情報のページを探し、その事務所の名前を確認しましょう。

【ポイント4】報酬の明示があるかどうかをチェックしよう

ホームページに、相続税に関する報酬規程の記載があるかどうかを確認しましょう。
記載がない場合には、記載をしない“理由”が必ずあります。

  • 明確な報酬規程がない
  • 当初に見積もりした金額から追加で報酬を事後請求する
  • お客様によって報酬を変える

などといったことを行っている会計事務所もあるようですので注意しましょう。

【ポイント5】税務調査の対応力をチェックしよう 

実績があって、報酬が安くても、業務の品質が低ければそれは良い税理士とは言えません。

相続税に関する業務品質をはかるためのひとつの尺度として税務調査率があります。相続税の申告は、当初の申告でしっかりと財産評価を行い税金を納めていれば税務調査になる確率は極めて低くなります。

一般的に相続税の申告を行った結果税務調査になる確率は約3割となっていますが、税理士事務所によってはこの確率が数%程度のところも存在します。

税務調査率については、公開している税理士事務所は少ないと思いますので、気になる方はお尋ねになってみても良いでしょう。税務調査率を意識して営業している事務所であれば、把握していないはずはないと思います。

“税務調査率”という尺度も、相続税に強い税理士を選ぶひとつの基準となりますので参考にして下さい。

1-2.相続税を得意とする税理士を紹介しているサイト

税理士ドットコム
※ 東証マザーズ上場企業の弁護士ドットコム株式会社が運営している税理士の紹介サイトです。

相続税を得意とする税理士は、インターネットで簡単に検索することができます。 特に、税理士ドットコムというサイトは全国の税理士が数多く登録されておりますのでお近くの税理士を検索することができます。

ここで、住んでいる地域を入力し、得意分野で“相続税”を選び、まずは税理士を検索してみましょう。 複数の事務所が出ていた場合には、「1-1.ホントに相続税に強いかどうかを見極める5つのポイント」を参考に絞り込んで見ましょう。

なお、近くに良い事務所がない場合には、多少遠くとも納得のいく良い税理士に依頼されることをお勧めします。頻繁に税理士事務所に通う必要がありませんし、多くの事務所が訪問対応を行ってくれます。

2.相続税申告報酬に関わる税理士報酬の相場

相続税申告を依頼する税理士を選ばれている中で、やはり報酬も気になると思います。良いサービスが受けられてもそれが果たして報酬という対価に見合うかどうかも需要なポイントです。

2-1.一般的には遺産総額の0.5~1%と言われているが…

相続税の税理士報酬は、一般的には遺産総額の0.5%から1%と言われています。例えば遺産総額が1億円ですと、50万円から100万円の間といった具合です。

これはある意味正しいのですが、正しくない場合もあります。なぜなら、税理士報酬は、医者のように診療報酬が法律で決められているわけではなく税理士事務所ごとに自由に決定することができるからです。 そもそも、0.5%から1%は幅があり、50万円と100万円では大きな差があります。

さらに、税理士事務所によりますが、遺産の内容や種類によっても報酬が異なることが多いです。 そこで、次に具体的なケース別にいくつかの税理士事務所の報酬を比較してみます。

2-2.ケース別の3つの税理士事務所の報酬実例比較

インターネット上で相続税の申告報酬を公開している3つの会計事務所のHPを参考に報酬金額を具体的に算出しています。なお、会計事務所によっては、さらに追加報酬がある場合やサービス内容に若干の違いがある場合もありますので、あくまで参考程度に考えて頂ければと思います。

相続税申告を依頼する良い税理士の選び方徹底ガイド
(画像=税理士が教える相続税の知識)
相続税申告を依頼する良い税理士の選び方徹底ガイド
(画像=税理士が教える相続税の知識)
相続税申告を依頼する良い税理士の選び方徹底ガイド
(画像=税理士が教える相続税の知識)

上記の通り、ケース2や3では、やはり遺産総額の0.5%から1%の間になっていると思います。
但し、ケース1のように特例を適用することで相続税の納税が生じないようなケースでは非常に割安な報酬体系が用意されている事務所もありますので参考にして下さい。
しかし、ただ、安いからと言って安易に飛びつかないように注意しましょう。契約後に追加報酬をとられたり、そもそも行う業務の限定されていたりする場合がありますので、契約前にしっかりと確認するようにしましょう。

3.まとめ

相続税の申告を依頼する税理士の選び方のポイントを解説してきました。
医者と同じように税理士にも専門分野があり、相続税が専門でない税理士に相続税申告を依頼することは内科医に外科手術をお願いするようなものとなりますので、相続税申告は、相続税専門の相続税に強い税理士に依頼されることを強くお勧め致します。(提供:https://chester-souzoku.com/ target="_blank">税理士が教える相続税の知識)