3営業日で上昇したにも関わらず、米国株式市場の行方は依然として不安定であり、様々なマクロ状況に大きく依存している。その最たるは米中貿易戦争である。

ムニューシン財務長官がが中国への関税の引き下げを主張していると報じられた。貿易交渉で中国から譲渡を引き出し、金融市場の安定を図る狙いとみられる。先週金曜のこの報道を背景として、投資家心理は改善された。米政府機関閉鎖などが株式市場の下押し要因となっている一方で、来週発表の四半期決算は世界最大規模の企業が健全であることを示すだろう。

以下は、四半期決算の発表により、今週注目の3銘柄である。

1.プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)

世界最大の一般消費財メーカー、プロクター・アンド・ギャンブル (NYSE:PG)は、1月23日水曜日の市場開場前に、2019年度第2四半期決算を発表する予定だ。アナリストの予想では、一株当たり利益(EPS)は1.21ドルで、前年同期の1.19ドルから上昇するだろうとのこと。また、今期の売上高は約1%減の171億4000万ドルになると予想されている。

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(画像=Investing.com)

P&Gの事業は安定的なので、投資家がリスク資産から安全な生活必需品セクターへ資金を動かし、過去6ヶ月にわたって同社の株価はベンチマークであるS&P 500を上回った。

収益面では、P&Gの転換が功を奏し始め、同社が過去の四半期からの好調な勢いを維持していることを示すデータを投資家は期待しているだろう。買収や為替の影響などを除いた既存事業売上高は、アナリスト予想を2倍以上上回り、第1四半期では4%増であった。

競合小会社がP&Gのマーケットシェアを奪い始めた状況下で、生産ラインを調整するには大きすぎかつ遅すぎると批判され、同社は10の大きな製品セグメントに注力して、合理化を図った。同社が日用品カテゴリーとしたリストの中には、ベビーケア、ランドリー、ホームケア、パーソナルケア部門に分類される65のブランドがあり、それらは成長が早く、利益率の高い事業として位置付けられている。

2.インテル

世界最大の半導体メーカー、インテル (NASDAQ:INTC)は1月24日木曜日の市場閉場後に、2018年度第4四半期決算を発表する。アナリスト予想では、前年同期の190億1000万ドルの売上高、1.08ドルのEPSに対して、今期は1.22ドルのEPSが予想されている。

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(画像=Investing.com)

同業他社と比べると、同社はアウトパフォーマンスを示している。需要の大幅な減少によって半導体メーカの環境がかなり悪化したことから、テキサス・インスツルメンツ (NASDAQ:TXN )とエヌヴィディア(NASDAQ:NVDA)を含む半導体競合他社の株価はすべて急落した。過去6ヶ月で、同社株5%の下落であったのに対し、 エヌヴィディアは37%以上下落している。

過去の四半期の間に、インテルは売上高とEPSの予想を上回っただけでなく、同社の通年の売上高予想を上方修正した。同社には製品が多様であるという強みがある。

インテルは我々が現在買いを検討している唯一の半導体株である。先週金曜日の終値の時点で1株49.19ドルであり、最近の値上がりのあとでも割安であり、他の半導体株をアウトパフォームしている。

3.スターバックス

世界的なコーヒーチェーン、スターバックス(NASDAQ:SBUX)も同じく木曜日の市場閉場後に第1四半期決算を発表する。米国市場での大きな存在感と中国市場での展開に支えられ、同社は既存店売上高の回復を維持し続けるだろうという期待から、64億9000万ドルの売上高と0.65ドルのEPSをアナリストは予測している。

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(画像=Investing.com)

しかし、好材料の多くはすでに株価に織り込まれていて、金曜日の終値は64.70ドルとなっていることに注意しなければならない。11月の前回の決算発表では予想を上回って最高値の68.98ドルに上昇した。今期も大幅に予想を上回らない限り、同社の株価を短期的に押し上げる余地はあまりない。

大きな好材料は見込めないかもしれない。多くの飲食店のように、消費者が不健康な飲料から離れつつあることから起こっている周期的な低迷と同社は戦っている。

それでも、同株は安定した配当を望んでいる投資家にとっては魅力的である。この株式は過去4年間で2.24%の配当利回りと約42%の健全な配当性向を保持している。同様に、過去三年間で、同社は一株当たり約25%の増配率を達成している。

同株が決算後に値下がりしたときは買い入れを行ういい機会である。(提供:Investing.comより)

著者:ハリス アンワル