「少額」「長期」「積立」「分散投資」などの特徴があり、人気のつみたてNISA。とはいえ、投資初心者にはハードルが高く、口座開設ですら二の足を踏んでしまう人も多いはずだ。つみたてNISAの口座開設で初心者がつまずきやすいポイントや、注意すべき点を紹介する。
つまづくポイント1……金融機関の選び方
つみたてNISA口座は、1度開設すると1年間は変更することができない。そのため、どの金融機関で口座を開設するのかは重要なポイントだ。1年ごとに金融機関を変えることはできるが、変更しようとする年の9月末までに金融機関での変更手続きを完了しなければならない。
既にNISA口座内で商品を購入していた場合には、その年の変更はできず翌年の投資分からの変更となる。手間暇を考えると、できれば最初の開設のタイミングで自分に合う金融機関を選びたいものだ。
金融機関によって取扱商品や取扱本数が異なる。また、最低積立額や積立頻度、ボーナス時の増額ができるか否かなどの違いもある。
・商品ラインナップ……選びやすさを重視して絞ってあるか、選択肢を豊富に取り揃えてあるか
・利便性……プランの変更が気軽にできるか、運用結果が確認しやすいかなど
・サービス……ポイント還元やマーケット情報の配信があるか
に着目して比較し、自分にマッチしているかどうかを判断しよう。
つまずくポイント2……聞き慣れない専門用語
金融機関を決めてつみたてNISA口座を開設しようとしても、インターネットで手続きをする場合は専門用語を理解しなければならない。たとえば、「インデックス投資信託」「アクティブ投資信託」「ロールオーバー」などだ。証券会社や銀行の店頭など、対面で手続きすれば担当者の説明を受けながら口座開設ができるが、インターネットでは、専門用語を自分で調べ、その違いを理解しなくてはならない。
仮に、専門用語の理解は後回しにしたとしても、配当金受領方式は「株式数比例配分方式」を選択する必要があることは覚えておこう。投資信託の中でも上場株式投資信託(ETF)を購入した場合、「株式数比例配分方式」以外の配当金受領方式を選択していると非課税にならないからだ。インターネットでの取引に不安がある場合は、対面で取引ができる実店舗のある金融機関を選ぶといいだろう。
つまずくポイント3……口座開設のための条件の確認不足
専門用語の壁を越え、申込みが完了したものの口座開設できないことがある。それは、複数の金融機関でつみたてNISAを申し込んでしまっている場合だ。一般NISAを含め、NISA口座の開設は1人1口座と決められている。
つみたてNISAを始めるにはNISA口座を開設する必要があるが、そこで「NISA」と「つみたてNISA」のうち、「つみたてNISA」を選ばなければならない。「つみたてNISA」より早く始まった「NISA」を利用するためにNISA口座を既に開設している場合、利用していなかったとしても二重で開設することはできない。
また、つみたてNISA口座の申し込みから開設完了まで、通常1ヵ月程度かかると言われている。
二重で口座を開設されるのを防ぐために、金融機関は税務署へ口座開設の申請をする(申請者が税務署に行く必要はない)。税務署で口座開設に関する確認が完了すると、「非課税適用確認書」が交付されて口座が開設されるという流れだ。手違いで複数の金融機関につみたてNISA口座の開設を申し込んでしまった場合は、税務署のチェックなどでさらに時間がかったり、先に税務署に到着した申請が採用され、本来希望していた金融機関で口座開設ができなかったりする。
一般NISAのために既にNISA開設している場合、利用していなかったとしても変更手続きが必要なので、開設している金融機関への問い合わせが必要となる。
長期的な資産運用のために口座開設を確実に
つみたてNISAは年間40万円の非課税投資枠が設けられていて、投資を始めた年から20年間は利益に課税されない。つまり、20年間続ければ最大800万円の非課税投資枠を得ることになり、有利に長期的な資産運用をすることができる。
コツコツと資産を運用したい人は、上記のNISA口座開設でつまづきやすい3つのポイントに注意して、スムーズなスタートを切ってもらいたい。
文・中谷登久子(ファイナンシャル・プランナー)/MONEY TIMES
【関連記事 MONEY TIMES】
ネット証券は情報の宝庫?日経新聞から四季報まですべて閲覧可!?(PR)
40代でやっておきたい「投資・運用」3つのステップ
国内ソーシャルレンディング4選 初心者でもできる?利回り以外の着目点
「月1,000円から」「おつりで投資」スマホで投資できるアプリ4選
これならできる!「1万円」でディズニーランドの株主になろう