市場にとって今週が極めて重要な局面になると言っても過言ではない。一部の米大手企業の決算発表が控えている。
金曜日、ダウ平均株価は5週続伸となった。要因としては、企業の好況な決算や政府閉鎖の解除の見通し、米中貿易問題への期待感が挙げられる。
今週はアップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト(NASDAQ:MSFT)、テスラ(NASDAQ:TSLA)、キャタピラー(NYSE:CAT)、 ボーイング (BA) の決算発表が控えている。これらの決算によって、米株式市場の上昇が続くのか、それとも終わるのかは五分五分である。
以下が今週の決算で、注目すべき3つの企業である。
1.アップル
今月初め、アップル(NASDAQ:AAPL)はiPhoneの売上減の見通しを発表し、投資家へ衝撃を与えた。このことから、1月29日の同社の四半期決算による株価上昇の余地は少ないだろう。
アナリストは、EPSを昨年の3.89ドルに対し4.17ドル、売上高を前年同期比5%減の840.4億ドルと予想している。同社は売上減の要因を、中国の需要減退にあると考えている。
同社は約20年ぶりに業績見通しを下方修正した。同社は、第4四半期の売上高が、当初の予想である890~930億ドルから減少して840億ドルとなることを予想している。この報道は、同社株(NASDAQ:AAPL)にとって下押し圧力となった。同社株は10月上旬に記録した最高値である233.47ドルから、32%も下落しており、金曜日の終値は157.76ドルである。
我々の見解では、決算発表において投資家がアップルCEOティム・クックから知りたいことは以下の2点である。消費者が高価なiPhoneを敬遠する中でどのように売上をのばすのか、そしてどのようにフラッグシップモデルの売上減を補うのかという点である。
2.フェイスブック
世界最大手のIT企業であるフェイスブック(NASDAQ:FB)は、1月30日に第4四半期決算を発表する予定である。アナリストは、EPSを昨年の1.44ドルに対し2.19ドル、売上高を前年同期比26%増の164億ドルと予想している。
昨年、フェイスブックの創設者及びCEOであるマーク・ザッカーバーグは、プライバシー問題への対処と政治広告への規制に腐心してきた。これら2つの問題によって、同社はユーザーデータのマネタイズに関する方針を完全に変更し、フェイクニュースの拡散を厳しく管理する必要が生まれた。
同社の決算発表は投資家にとって重要なものになるだろう。なぜなら、同社への問題がどのように投資利益率へ影響するかに関して、ザッカーバーグ氏の意見が伺える可能性があるからだ。また、同社の売上高を以前の水準まで回復させ、株主価値を押し上げる計画に投資家は注目するだろう。
同社株は218ドルで取引されていた7月以来で時価総額の3分の1を失っている。金曜日の終値は149ドルであった。
3.アマゾン
Eコマース最大手のアマゾン(NASDAQ:AMZN)は、1月31日に決算発表が控えている。アナリストは、EPSを昨年の2倍以上となる5.65ドル、売上高を前年同期比19%増の718.5億ドルと予想している。
テクノロジーセクターにおいて、同社は依然として堅調な勢いを維持している数少ない企業である。同社は強い米消費者心理やEコマースへの周期的な移行によって下支えされている。広告、小売、ウェブサービス事業はすべて目覚ましい業績を上げており、同社株は他のテック株をアウトパフォームしている。
同社株の金曜日の終値は1670.57ドルで、先月に24%上昇している。このことは、決算発表を前に投資家の期待が過剰であることを示している。同社株は長期投資に非常に適しているが、予想との僅かなズレが下落を引き起こす可能性がある。したがって、決算発表が終わるまでは注意を払うべきである。(提供:Investing.comより)
著者:ハリス アンワル