現在の市場では様々な見方が飛び交っているが、今後は中国の動向に注目が集まるだろう。米中貿易戦争の動向や中国経済の減速による、大手テクノロジー企業への波及効果や業績見通しの下方修正などである。世界の5大テック企業のうち、アップル(Apple) (NASDAQ:AAPL)、アマゾン(Amazon) (NASDAQ:AMZN)、マイクロソフト(Microsoft) (NASDAQ:MSFT)、フェイスブック(Facebook) (NASDAQ:FB)は今週に決算を控えるとともに、今後の見通しが発表される。我々は今回の決算で株式市場に大きな動きがあるとみている。

また米国政府は、中国政府が為替操作を行い世界経済から不当な利益を享受していると主張しており、今後人民元相場で激しい変動が見られる可能性が高い。

現在の市場では、米中貿易摩擦の解消予想によってアジア諸国に明るい見通しが持たれており、人民元の需要が増加することで人民元高になるとの予想がされている。中国政府は度重なる報復関税を受ける中で、そうなる可能性は十分にある。劉鶴副首相は1月30-31日にワシントンで行われる米国との貿易協議に出席し、通貨政策に対する協議が行われるとみられる。

テクニカルによると、現在の価格はファンダメンタルズに強く基づいている。米中両首脳がアルゼンチンで会談を行ったとの報道を受け、11月に高値を付けた。その後下落に転じ、貿易協議が開始されたときには下落幅を大きくしていた。6月下旬から10下旬にかけて価格がピークを迎えていたものの、RSI(相体力指数)のモメンタムは失われていた。これはリスク回避的な投資家にとって、人民元は頂点を打ったサインであっただろう。

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(画像=Investing.com)

この弱気相場への転換は、異なる時間足での移動平均線を見てもうなずける。USDCNYが急落したことで、50日移動平均線が100日移動平均線を下回りデットクロスを形成している。今日では200日移動平均線をも下回った。

貿易協議の合意による人民元高の加速や中国政府による元高への誘導などの理由から、元高が続くように思われるだろうが、今月の人民元安は今後も続くとみている。

トレード戦略

リスク回避的な投資家は、200日の移動平均線を下抜けし、下降チャネルの底である6.7000まで下落するのを待つ。そして1月22日の高値の6.8112を上回らない程度の調整の反発があり、その水準で上値が重く、大陰線で下落することによって下降トレンドが確定することでショート。

リスク中立的な投資家は、ショートする前に1月22日の高値の6.8112をリテストするまで待つのが良いだろう。

リスク選好的な投資家は、終値でハンマーを形成するようであれば、逆張りでロングポジションをとってもいいだろう。また、ハンマーのサポートラインとなる6.7221の水準をテストする可能性も考慮する必要がある。このような場合は、トレンドに逆らわずマネジメントしよう。

トレード例

  • エントリー: 6.7300
  • 損切り: 6.7200
  • 損切り幅: 100 pips
  • 目標価格: 6.7600
  • 利確幅: 300 pips
  • リスクリワードレシオ: 1:3

(提供:Investing.comより)

著者:ピンカス コーエン