29日のダウ平均株価指数は米株価指数の中で唯一上昇し、0.21%高。ダウ平均は米中通商協議の進展から最も恩恵を授かる指数であるので、投資家は現在の通商協議を良しとしているのだろうか。なぜ他の株式指数も同様に上昇しないのだろうか?
おそらく、投資家は通商問題によって下落している銘柄を購入していると考えられる。しかし、資本財セクターは1年間で9.24%高となり他のセクターをアウトパフォームしていることから、この推測は正しいとは言えない。
もしくはドルの下落が多国籍企業の海外での売上を向上させていると考えられる。しかし、ドルインデックスを確認すると、2018年以来ドルは上昇しており、そうではないことが分かる。
米ドル/人民元は1年間で2.23%安であり、中国による関税を克服しているとも考えられる。
要するに、投資家の間にも貿易問題に関して様々な見解があり、投資家は資本財や素材セクターに投資する反面、株式市場全体に対して慎重な見方をしているのだろう。あるいは、通商協議はマーケットへの逆風になり得ないと信じているのかもしれない。
資本財セクターは50日移動平均線のレジスタンスラインを突破し、現在の価格は9月以来の下降トレンドラインを上回っている。今回の上昇後、MACDやRSIでは弱気相場を示しているようだ。RSIは2週間前に最高値を記録した一方で、価格は12月3日の74.76から下落し70.34ドルとなっていた。
同セクターは1年間でアウトパフォームしており、株式市場全体の不確実性をよく表している。今後上方か下方に大きく値動くことが予想される。。
我々は、中期的なトレンドが反転してから、資本財セレクト・セクターSPDRファンド(NYSE:XLI)が下落する可能性は高いという見解を維持している。
トレード戦略-ショートポジション準備
慎重なトレーダーは、終値で1か月間で最低水準である67の水準を下回り、その後下降トレンドラインを再テストするのを待つべきであろう。
一般トレーダーは、終値で数週間に渡って取引されてきた68の水準を下回り、その後の反発でその水準がレジスタンスラインとして作用しているか確かめる。。
積極的なトレーダーは、アップル(NASDAQ:AAPL)の決算に続いて楽観的な見方が増えることを見越して、下降トレンドラインを下回る終値まで待つ。
トレード例
- エントリー: 68ドル
- 孫切: 70ドル
- リスク: 2ドル
- 目標価格: 62ドル
- 利確幅: 6ドル
- リスクリワードレシオ: 1:3(提供:Investing.comより)
著者:ピンカス コーエン