2019年2月1日10時過ぎに西原宏一さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

昨日31日(木)日本時間未明に、注目のFOMCが開催された。今回のFOMCの注目度が高かったのは、先週末のウォール・ストリート・ジャーナルの以下の報道だ。「FRBのバランスシート縮小、想定より早期終了か。FRBは、2年前に開始したバランスシートの縮小を予想よりも早い段階で終了することを決める調整に入っている模様。最終的なバランスシートの規模も、当初の想定を上回る水準となりそうだ」「最近のFRB当局者の発言やウォール・ストリート・ジャーナルでのインタビューから判断すると、FRBではなお、その戦略や市場への伝達方法を巡り詳細を詰めている。FRBは利上げの一時停止を示唆しており、1月29日(火)~30日(水)開催のFOMCでは、保有債券の縮小計画が最大の注目点となる可能性がある」(出所:ウォール・ストリート・ジャーナル)。当記事を受けて、先週末のマーケットではドルが全面安、米株は急反発した。

現在の為替相場の戦略やスタンス

こうした環境下で、昨日31日(木)日本時間未明に発表されたFRBのスタンスは極めてハト派なもので、マーケットを驚かせた。FOMCでは、FF金利を2.25~2.50%のレンジで据え置き。将来の金利変更の判断においては「persevere=辛抱強くなる」と表明した。マーケットが注目したのがバランスシートの正常化について利下げだけでは金融緩和が十分ではない場合には、「バランスシートの規模や構成内容を変更することを含めて、全ての緩和手段を講じる用意がある」との文言だ。これは経済状況によっては、「量的緩和の再開」も示唆するといったもの。結果、当面FRBはFF金利だけの金融政策、そして金融政策は中立になりそうだ。OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)での利上げ予測は5月までわずか1.00%に低下。極めてハト派なトーンだ。米ドル/円は109円を割り込み下落基調となっている。米ドル/円の上値が110.00円でキャップされていることもあり、戦略としては米ドル/円の戻り売りスタンス継続で臨みたい。

西原 宏一(にしはら こういち) 株式会社ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。